「我が青春時代のスクリーンの恋人の映画」忘れじの面影(1948) KENZO一級建築士事務所さんの映画レビュー(感想・評価)
我が青春時代のスクリーンの恋人の映画
我が青春時代のスクリーンの恋人の一人、
ジョーン・フォンティーン主演映画として
鑑賞。
「レベッカ」や「断崖」等での、
右唇を引き上げたような微笑や怯え顔
がなんとも魅力的な女優だった。
さて、この映画、難しい恋愛感情を描く。
相手を一生忘れじとする側と、
たくさんの異性関係の中で、一夜のことだけ
と相手のことを全く思い出すことも出来ない
側が接点を持った悲劇と言えなくも無い。
後年は豊かな生活を送るヒロインが、
相手の想いが、自分を思い出すことも無い
たった一晩のことだけだったのだと
一度は理解しながらも、
諦めきれずの行為が悲劇をもたらす。
理性では理解しても、感情は別物
となってしまう恋愛の難しさだ。
原作では芸術家は最後まで彼女のことを
思い出さないとあり、最後の手紙で
彼女のことを思い出す映画のラストよりも、
原作の方がリアリティはあるのだろう。
しかし、この映画では何故か思い出し、
彼女の想いを知ったがために、
決闘から逃げる心づもりから一転、
罪滅ぼしからか、彼女の夫から撃たれる覚悟
の決闘に臨むような、センチメンタリズム
満々のシーンで終わらせた。
最後まで思い出さない原作はどのような結末
なのか、少なくとも決闘シーンは無い
のだろう等、興味津々だが、
この原作本に出会うことは
難しいのかもしれない。
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