劇場公開日 1934年11月22日

「人の愛に溢れた傑作」浮草物語 どすこいたろうさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0人の愛に溢れた傑作

2024年10月14日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

幸せ

Z級映画「ワニゲーター」か本作かどっちを観ようか悩んでいましたが今日はこちらを。この2作を天秤にかける私も大概ですが、良い時代になったものです。

動の黒澤、静の小津。とはよく言ったもので、まあサイレント映画なんだからそらそうなんだけど。とにかく表情が豊かで、お口パクパクしてる場面でも何言ってるか不思議と伝わってきます。派手な動きをせずとも、表情と仕草でしっかりと感情を伝え、観客に感情移入させる。俳優さん達も素晴らしいです。

人の愛であったり、優しさであったり、心温まるシーンで溢れており、観ているだけで幸せになれます。自分の親すら生まれていない時代の映画なのに、なぜか懐かしさを感じ、「あぁ、この時代に戻りてぇなぁ。」などとわけのわからんことを考えてしまいます。それは「郷愁」でもあり、「憧れ」でもあるのかも。

現代を生きる人達に伝えたい、大切なものが詰まった映画。愛とはいかに深いものであるか。人と人とのすれ違いの切なさ。ヒューマンドラマの傑作であります。

次はワニ観る。

吹雪まんじゅう