「【”残りモノには・・がある。”今作は、独特のユーモアを漂わせた多数の悪党登場の、捻りの効いた脚本、テンポ、斬新な撮影テクニック、音楽良しのスタイリッシュクライムムービーの逸品なのである。】」ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”残りモノには・・がある。”今作は、独特のユーモアを漂わせた多数の悪党登場の、捻りの効いた脚本、テンポ、斬新な撮影テクニック、音楽良しのスタイリッシュクライムムービーの逸品なのである。】
ー ご存じの通り、今作は今作発表後、一気にその才能を買われ人気監督になったガイ・リッチーの初監督作である。などと、エラソーに書いたが、実は恥ずかしながらの初鑑賞である。
で、結論から言えば、レビュータイトルに記した通り、今作は、捻りの効いた脚本、テンポ、斬新な撮影テクニック、音楽良しのスタイリッシュクライムムービーである。-
■ロンドンの裏社会でくすぶっているエディ(ニック・モラン)、ベーコン(ジェイソン・ステイサム:今とあまり変わらない。当時が老けていたのか、不老の人なのか・・。)トム(ジェイソン・フレミング)ソープ(デクスター・フレッチャー)ら4人組は、街の顔役ハリーを相手に10万ポンドでカード勝負を挑むも大敗する。
50万ポンドの借金を背負った彼らだが、エディの部屋の隣人のギャングのリーダー、ドッグが企てるマリファナ工場襲撃を知る。
4人は、襲撃に成功した彼らから、大麻を強奪することに成功するが、その後が大変だった。
◆感想<Caution!やや、内容に触れています。>
・登場人物が多いほど、脚本の出来が映画の出来に直結するのは当たり前であるが、今作では巧妙な脚本と、テンポの良い展開、センスの良いロックが絶妙のタイミングで挿入されるところなど、実に面白い。
・後年、ガイ・リッチー監督の異名にもなったスタイリッシュなシーンも満載で、例えばポーカーゲームでのカード捌きの映し方や、銃撃戦の際の薬莢が落ちるシーンをストップモーションで撮ったり、斬新な撮影方法も魅力的である。
・エディのバーを経営する父が、スティングだったり、キャスティングもナカナカである。特に4人組のうち、ニック・モランと、ジェイソン・ステイサムは今作で、一気に脚光が当たったのではないかな。
特に、今作では端役だったジェイソン・ステイサムは、ご存じの通り、今や大スターである。
・ストーリー展開も、4人組が仕掛けた作戦が上手く行くわけではないのだが、ひょんなことから、彼らに福が齎されるという展開や、ラストシーンなども実に粋であり、類稀なるセンスが溢れている。
<多数の悪党たちのキャラも、生き残ったビッグ・クリス(ヴィニー・ジョーンズ)を筆頭に、しっかりと立っており、伏線を張ったストーリー展開も、ラストでそれが収束し、爽快な気分になる所は実に見事なる作品である。>