「ガイ・リッチーの手腕」ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ 万年 東一さんの映画レビュー(感想・評価)
ガイ・リッチーの手腕
この一作と「スナッチ」が少々で全ての才能を放出したガイ・リッチーの長編映画監督デビュー作の初期衝動が炸裂、洒落た笑いとスタイリッシュな映像にサントラも最高でセンス良し、濃いキャラクターが勢揃いで問題山積み、ドンデン返しの繰り返しに飽きる事はなく何度観ても面白さは薄れない。
キャスティングも逸品でスティング含めた役者陣の新鮮味が堪らない、今やアクション臭がプンプンなジェイソン・ステイサムも際立つ存在感で格好良かった。
腑に落ちないのがギャングの頭ドッグからクリスが奪った金がエディたちの借金完済に回った状況、ドッグもハリーへの借金があり日焼けサロンでクリスから取り立てられる場面が、そこら辺が有耶無耶な気もするし、ラストの携帯を口に咥える演出がワザとらしく思てしまう。
タランティーノやフィンチャー、イニャリトゥなど90年代に初期衝動を炸裂させた監督たちは賛否あれど今だに衰える事はなく、ガイ・リッチーはダニー・ボイルが如く成功しているにしても勢いは落ちて行く一方で、とうの昔に熱も覚め新作に興味すらなくなってしまった個人的な思い。
レンタルで初めて観て「スナッチ」初公開時の特別上映でフォーラム仙台にて鑑賞。
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