「100年に一度の美女といわれた女優の記念作」反撥 ジリオロッソさんの映画レビュー(感想・評価)
100年に一度の美女といわれた女優の記念作
カトリーヌ・ドヌーヴは「昼顔」や「哀しみのトリスターナ」に出演した頃から、エリザベス・テーラーと並び称される世界一の美女として有名になった女優さんですが「反撥」ではまだ初々しい彼女を見ることが出来ます。
モノクロでも分かるような輝くばかりのブロンドで、終始うつむき加減のほっそりした顔と、薄いネグリジェに透けた胸元がとても綺麗で印象的です。
当時の流行だったのかもしれませんが、ほぼドヌーヴの顔にスポットを当てるシーンが続いて、ポランスキー監督は御執心だったのでしょうか?そう言えば何となく「テス」のナスターシャ・キンスキーにも似ていますね。コクのある美しさが素敵です。
話は男性恐怖症の主人公であるドヌーヴが、同居する姉とその恋人の情事の気配に毎夜悩まされる内、次第に精神を病んで行った挙げ句に殺人を犯してしまうというストーリー。
シンバルやドラムのプリミティブな音使いや、壁から飛び出す腕、腐敗してゆくウサギ肉の塊、干からびたジャガイモから延びる芽・・・ダリの抽象画のような世界観でドヌーヴの心理を表しているようなのですが、同じフロアに住む住人の飼う犬が、死体の臭いで吠えないのか?などと突っ込むのはナシです。
謎なシーンもあって、所々に広いリビングやキャビネット等がある瀟洒な屋敷の部屋がカットインされるのは、昔住んでいたブリュッセルの家の中なのかな?
また、ラストに写し出される家族写真でのドヌーヴは、父親と距離を取って冷たい視線を送っているけど、これも何かの暗示なのでしょうか?
そう考えても他に伏線となるような会話も無かったし・・・
もう一度観てみようかなと思います。
やっぱりドヌーヴは大好きだと再確認出来ました!
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