劇場公開日 1955年3月15日

「権力を持つ家族の裏切りと崩壊を描いた人間ドラマだ。」ララミーから来た男 瀬戸口仁さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5権力を持つ家族の裏切りと崩壊を描いた人間ドラマだ。

2024年11月3日
PCから投稿

復讐に燃える男と、牧場主の一家を軸に、嫉妬や恨み、親子関係の裏切りと崩壊を描いた異色の西部劇。話は全然違うが、『リア王』に通じるものを持っていると思った。

ウィルは、インディアンに連発銃で殺された弟の仇をとるため、インディアンに連発銃を売った男を探している。ウィルは、湖から塩を取っていたところを、町を牛耳るバーブ牧場の連中に襲われる。

バーブ牧場の牧場主アレックは、粗暴な息子デイヴと、親子同然に接してきたヴィックを抱えている。また、アレックには、美しい姪っ子バーバラがいる。その一方、バーブ牧場と対立する女牧場主・ケイトは、アレックの元婚約者だった。

血の通った人間関係こその苦しみや憎しみ、暴力を、深い洞察に基づいて描いた犯罪ドラマだ。西部劇というよりは、小さな町で権力を持つ一家を舞台にした、おおいに見ごたえのある人間ドラマと言える。

瀬戸口仁