劇場公開日 1998年7月11日

「ラブジョーンズにラブジョーンズです!」ラブ・ジョーンズ あき240さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0ラブジョーンズにラブジョーンズです!

2021年7月21日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

1997年米国公開
日本でも1998年に公開されたようです
舞台はシカゴ
黒人の詩人と写真家の卵の若い男女の物語
おしゃれ感が漂っていて内容も少しも古びていません
コロナ禍がなければ、ついこの間のようなお話
日本に翻案しても充分に通じます
むしろ今の日本に必要な物語だと思います

R&Bやブラックミュージック好きならマストです
何で観てないの?とか言われます

だけども、今となってはなかなか観れません
配信はないです
DVD も国内盤はありません
なので、海外からamazon なりで、中古DVDを取り寄せするしかありません

但しリージョンコードが北米のものですから、普通のDVD デッキやPCでは再生できません

リージョンフリーのDVD デッキが数千円で通販で買えますから、お持ちでなければあわせて購入なさって下さい
それを買っておくと、海外から色々レアなDVDを取り寄せて観れるようになりますから、この際購入すべきです
ソウルミュージックの有名アーティストのライブDVDを海外から取り寄せて観れるようになるのですから安いものです

それで再生できても、日本語字幕は当然ありません
英語をあまり聴きとれない方は、英語字幕が幸いにありますので、それを根性で読むしかありません
でも英語字幕を読む方が、ガールズトークのあけすけというか卑猥トークがよくわかるので良いかもです

それでも見る価値はあります
R&Bソウルミュージックファン
それもソウルバーという音楽バーに通っているくらい好きなら絶対観て良かったと思うはず

冒頭のタイトルバックは白黒
それはヒロインのニーナが撮った写真だと後から分かります
その中にシカゴの中古CD & レコード屋の写真があり感激します
劇中には、ニーナの女友達が働いているレコード屋も登場します
店の真ん中はバイナルのレコードの棚、奥はCDの棚、レジカウンターの前はカセットが積まれています
そのシーンだけでも感激するはず

そのお店でニーナが見ていたのはアル・グリーンのバイナル
ダリウスが彼女の部屋を訪問したときプレゼントしたのはアイズレーブラザーズのCDでした
中盤のダンス会場で掛かっていたのは、ジェームス・ブラウンの「Blues & Pants」でした
主人公達が通っているライブバーの光景も素敵です

どうです、とっても観たくなってきたでしょ?

黒人向けの映画は色々あれど、その中でも屈指の傑作だと思います
バーでの出会い、恋の始まり、元カレ、元カノ、三角関係、友人達のサポート、破局、修復
まあそんなどこにでもある男女のお話です
それでも胸が震えます
若いってすばらしい
あの頃に戻って、またこんな恋愛をしたいと思えるはずです
そして音楽がすばらしいのです

1997年米国公開の映画
フラシス・コッポラの映画「コットンクラブ」の時代の60年後の黒人の若者たちの姿です
合わせて観ると感慨深いものがあると思います

コットンクラブの時代から3世代後の黒人の若者たちの姿
そして、本作からすでに24年
もう一世代が過ぎ去さりました
新しい世代の物語はこれからです
本作を観て恋愛をしなくては、始まるものも始まりません

登場人物にジョーンズは居ません
なのに何故、ラブジョーンズという題名?
音楽監修がダリル・ジョーンズだから?
かもしれません
でも違います

ラブジョーンズとは、首ったけとかぞっこんとかの意味の慣用句だそうです

ソウルミュージックのファンなら、もちろんあの有名曲
ブライター・サイド&ダークネスの1972年の曲、イマジネーションズの1975年の「ラブジョーンズ '75 」を思い出すでしょう
その曲は劇中には結局流れません

しかし、エンドロールの2曲目に流れるのは、
Refugee Camp All-Stars Pres. Melky And Dayの「I Got A Love Jones For You」です
もちろん例の曲です!
焦らされて焦らされてやっとこの曲を聴かせてくれるダリル・ジョーンズの手口にまんまとやられました

観終わったあと、どうしても聴きたくなります
この3曲を立て続けに聴くと、本作の胸が震える甘酸っぱい想いが蘇ります

え?ノーマ・ジェキンスの1976年の同名の曲?
それはあなたひねくれ者です
ソウルバーでマスターを困らせているくちでしょ?
でも勢いで聴いちゃいましょう!

だってラブジョーンズにラブジョーンズなんですから!

関係者の皆様、お願い!
日本語字幕つけて、配信お願いします!

あき240