「主人公が黒人である意味とは」夜の大捜査線 根岸 圭一さんの映画レビュー(感想・評価)
主人公が黒人である意味とは
今作の公開日が1967年と、公民権運動の成果が、人種差別を規制する法律の制定という形で出始めた頃だ。そんな頃に人種差別の強いアメリカ南部で黒人を主人公にし、捜査を通じて白人との友情を育むというテーマは良かった。
しかし、序盤の部分などを除き、ストーリーは大筋では黒人を主人公にしなくても成立しそうなので、このテーマである意味が薄れていると思う。そして、ストーリーは冗長でしかも分かりづらい。警官のサムが真犯人だと安易な理由で署長が思い込んだり、ラストで主人公が白人に取り囲まれたときに、主人公の発言を簡単に信じてその矛先を真犯人に向けたりと、リアリティを感じなかった。
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