夜の騎士道のレビュー・感想・評価
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ルネ・クレール監督のドン・ファン
フランスのとある部隊でも名うてのプレイボーイ役にジェラール・フィリップ。細長い上品な髭をたくわえ、いかにもというビジュアル。
物語の結末としてはドラマチックな、死人が出てしまうか、またはハピエンと思って見ていたので、わりとあっさりと終わってしまったのが意外だったけれども、あの中尉は振って正解だと私も個人的には思う。「今度こそ本気」って毎度言ってるのを知っちゃったら、悲しいけど、これはもう性癖であって治るものではないという判断になるのはやむを得ない。じゃあお金持ちの紳士と結婚すればいいのかというと、あの家族がもれなくついてくることを考えると、この際こっちもやっぱやめとこってなっていたりするのかな、どうかな。
というわけでw、タラシの、自信満々の男を落とすには、夫人のように、そっけなく、むしろ嫌ってるくらいの態度を示すとよいというハウツー作品としても鑑賞できる。
デビューしたてのブリジット・バルドーが出ているとのことだが、気づかなかった…。
監督は衣装の時代考証にも気を配ったそうで、軍の制服も一般男女の衣装も興味深く見た。
ドンファンの本気
クレール監督初めてのカラー作品で
色彩設計がきちんとなされている感じ
騎兵隊の赤が強く印象に残る
第一次世界大戦前の駐屯地と騎兵隊の姿を描きたかったらしい
「ガラスの城」を観て以来
ミシェル・モルガンが美女なのかどうか考えていたが
帽子が似合うし(帽子屋の設定)
ダンスのシーンではエレガントで美しかった
日傘をさして公園でたたずむ姿は絵画のよう
ブレイク前のバルドーが可愛いくて 野暮ったい
ハンターみたいなアルマン(フィリップ)の後半の本気が
リアルに迫ってこなかったが
ラストシーンに後悔や未練みたいなものは感じた
ドンファンの本気ってあるのだろうか?
そんな疑問と共に あっても見分けがつかないような処が
マリールイーズ(モルガン)を苦しめる
観客にとっても謎
そして都会育ちの大人の彼女がリスク回避を選ぶのは当然か
美しい風俗絵巻、そして
新旧の大スター、バルドーとフィリップの邂逅の映画
感情的にはあんまり揺さぶられなかった
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