劇場公開日 1931年2月25日

「日本初の字幕スーパー映画。」モロッコ kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0日本初の字幕スーパー映画。

2019年7月27日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 キャバレーで歌うディートリッヒ。シルクハットを被り煙草を吸うシーンはあまりにも有名で、このショットを見るだけで感動できる。過去のある女。簡単に恋に落ちるには経験を積み過ぎていると思うのだが、やはりどこか弱々しさがあるのだろうか・・・リンゴを売るときに「おつりよ」と言って部屋の鍵を渡すのだ。

 前線に送られたトム。一時は一緒に脱走しようと持ちかけたのだが、彼女が楽屋を出たとき、鏡に“I changed my mind.Good luck!”と書き残し去ってゆく。そして、船で一緒だった富豪のベシエール氏(マンジュー)に求婚されるアミー。承諾して婚約パーティを開くが、副官セザールが戦死したというニュースが飛び込んできて、気が気でならないアミー。遠征隊も期間するが、彼の安否を確かめたく、ベシエールと共に前線へと駆けつける。

 「あの富豪と結婚するのか?」「I don't change my mind」。借金だらけのトムの小ネタなど、台詞も面白かったりする。そして、2人の交わす二本指での挨拶。机にナイフで刻んだ自分の名前を発見するときのディートリッヒの表情。そしてラストではサハラ砂漠を行軍する部隊の後を追うアミー。ハイヒールを脱ぎ棄てて、黙々と歩く・・・

 ストーリーはたいしたことないけど、ディートリッヒの決めポーズが全ていい!有名なシーンを一つずつ宝箱にしまっておきたいような映画かなぁ・・・あと、マンジューの心の広い性格は安らぐな。ゲイリー・クーパーよりも完全にいい!

kossy