「B級覚せい剤ホラー映画」猛獣大脱走 odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
B級覚せい剤ホラー映画
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今から7年前の熊本地震で動物園から猛獣が逃げたというフェイクニュースがSNSで拡散され世間を騒がせたが、覚せい剤による通り魔殺人鬼事件と併せて映画になってしまいました。
カーセックス中のカップルがドブネズミの集団に襲われ喰われてしまうエログロナンセンス描写から始まり、動物園から脱走した猛獣ばかりか象や牛迄人を襲う、スペインなら牛追い祭りがあるくらいだから驚かないだろうが、本作はフランクフルトを舞台にしたイタリア映画。
快速チーターにオープンカーの女性が追いかけられたり地下鉄が虎に襲われる、象に頭を踏みつぶされるシーンなど克明に映す悪趣味さ、更に象は滑走路に入り込み、まるで先日の羽田の事故のような有様まで、流行りのSF怪獣でなく原点回帰の猛獣ホラー映画が作りたかったのか・・。
動物園の檻が開いたのは出来の悪いシステムのトラブルだが、ハイテク文化への皮肉も感じられる、動物たちが狂暴になったのは飲料水に混じった麻薬のせいと言う設定、映画の冒頭で街に捨てられた大量の注射器の描写があったがまさに人災でした。ドブネズミから始まり動物園の猛獣まで狂わせたかと思ったら従順な盲導犬が飼い主を襲う破天荒、最後は子供たち迄殺人ごっこと狂暴化、この異常性を誰も諫めなかったのかと思ったら、脚本・監督・製作とフランコ・プロスペリの独り舞台では仕方ない。PCP(フェンシクリジン)なる麻薬がそれほど怖いものなのかは定かでないが、水は命の根源、テロリストには見せたくない映画でした。
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