劇場公開日 1984年3月3日

「全ての映画がこうでありたい」猛獣大脱走 Mさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5全ての映画がこうでありたい

Mさん
2023年6月15日
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年明けから転勤となり、辺鄙な田舎に引っ越した為、映画館に全然行けずにもう6月である。
そんな中、楽しみと言えば4月からBSで始まった「あまちゃん」の再放送ぐらいだが・・・

本題、恥ずかしながらBSで放送されるまで本作の存在を知らなかったが、見れば上半期ベスト1の大変素晴らしい映画だった。(と言うか、これか「シン・仮面ライダー」二択だから、当然こっちである)

夜の街を疾走するチーター、人を踏み潰すゾウ、地下鉄を襲う虎と本作はマジカルな瞬間をこれでもかとフイルムに焼き付ける。
やってる事は、リュミエール兄弟の「ラ・シオタ駅への列車の到着」と同じであり、リュミエール兄弟が現在に生きていれば、当然カメラを向けていたはずだ。

しかも散々エログロをやっといて、ラストで急に真面目な社会派を気取って唐突に終わるお茶目っぷりに、全ての映画はこうでありたいと誰もが思うはずである。

今、映画館では誰が怪物か?で盛り上ってるらしいが、人を踏み潰すゾウに比べたら些細な問題であり、だってゾウが人を踏み潰すんだよ‼️

映画と言うのが、人が一生かけても見れない現象をフイルムに焼き付ける事だとするなら、本作は紛れもなく映画であり、これが映画だと胸を張って言いたい気分である。

まあ、転勤でメンタルやられてるじゃないかと言われれば、それまでだが・・・

M