「チリの9.11(1973年9月11日)」ミッシング(1982) odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
チリの9.11(1973年9月11日)
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チリの社会主義政権転覆を目論んだアメリカが企てた軍事クーデターに巻き込まれたアメリカ人青年の悲劇を描くモキュメンタリー映画。
今となってはクーデターの背後にニクソン政権が絡んでいたのはいわば公然の秘密だが当時はセンセーショナルな告発映画としてアカデミー脚色賞やカンヌ・パルムドールなど多くを受賞した話題作。
当時では真相未解明と言うこともあったのだろうが劇中でエド(ジャックレモン)も「新事実を告げられるたびに振り出しに戻る」と愚痴っているとおり大使館の見せかけだけの捜査協力を延々と描くだけなので国家の陰謀と対立するサスペンス映画と期待すると物足りないかもしれません。
見どころはコンサバティブで若い息子夫婦に高圧的な父親エド(ジャックレモン)が事件を追うにつれ自身の独善性に気付いて変貌するところでしょう、エドのキャラクター設定は政府を盲目的に信奉する多くの保守系国民の典型にも映ります。ジャックレモンさん、ややもすると喜劇役者と見られがちですがシリアスな演技派、好演でしたね。
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