「グレイス・ケリー。なんて美人なんだろう」真昼の決闘 KIDOLOHKENさんの映画レビュー(感想・評価)
グレイス・ケリー。なんて美人なんだろう
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『真昼の決闘』は、「ひとりで戦う羽目になる男」 の物語だ。
生きていれば、自分だけが最前線に立たされ、誰も助けてくれない場面が本当にくる。とくに正しいことを通そうと頑張れば・・そんな時、この映画は心にしみる。
この作品は リアルタイムで映画が進行する。
時計の針がそのまま物語の緊張と孤独を刻み、観客もケイン保安官と同じ時間を生きることになる。仲間に拒まれ、街に見放され、さらには彼らは意見を翻し、間違ってるのはお前だという・・・それでも彼は一人で銃を取る。ほぼ勝てない勝負に挑む。彼は自ら帰ってきたのだ。自分の信じる「あるべき町の姿」を守るために。
そして──
勝ち、去る。最高の美女を連れて。なにも語らず。
これほど潔い孤独の勝利を描いた映画はめったにない。
背景には、アメリカの街が「資本家の都合」で形づくられていく過程がさりげなく描かれ、『素晴らしき哉、人生!』と合わせて観ると、アメリカ社会の成り立ちが浮き彫りになるのも面白い。
孤独、責任、資本、歴史、そしてグレイス・ケリー。
『真昼の決闘』は、大人が観るほど味が深くなる一本だ。
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