「愛する二人が黙って町を立去るラストシーンに…」真昼の決闘 KENZO一級建築士事務所さんの映画レビュー(感想・評価)
愛する二人が黙って町を立去るラストシーンに…
「地上より永遠に」
「わが命つきるとも」
「ジャッカルの日」
「ジュリア」
など、たくさんの作品で魅了してくれた
フレッド・ジンネマン監督の作品がTV放映
されたので久々に観てみた。
この作品は“リアルタイム劇”として有名な
作品だが、そのリアルタイム性を
あまり意識することは無かったものの、
刻々と迫る正午(ハイヌーン)への
緊迫感を醸し出す装置として
機能していたようには感じた。
そもそもが、このストーリーは
現代では考えられない内容だ。
犯罪者が釈放後に仲間とつるんで
警察官に復讐にやって来るなんて、
行政側としてはたまったものではない。
当時の方々への同情を禁じ得ないし、
そんな時代に生きてはいないことに
感謝しかない。
それにしても、愛する二人が、
町の人々への不信感を持ったまま、黙って
町を立去るラストシーンは辛いものがある。
誰か一人でも
あと少しの勇気を振り絞っていれば、
全く別の展開になったはずの場面が
数多くあったことには、
自分も町の一人では、との想像にも繋がり、
現代にも通じる貴重な示唆に感じた。
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