「子役時代のキーラン・カルキンがマジで天才!」マイ・フレンド・メモリー 村山章さんの映画レビュー(感想・評価)
子役時代のキーラン・カルキンがマジで天才!
突然この映画がとても好きだったことを思い出してレビューを書こうと思ったのだが、いまやアカデミー賞受賞俳優となったキーラン・カルキンの天才子役っぷりを味わえる作品として再評価されてもいいのではないか。劇中で披露するマーロン・ブランドのモノマネもみごと。
ともすればお涙頂戴になりそうな難病と友情の物語だが(いや、ちゃんと泣けるんだけれども)、決して映画がメソメソすることなく進んでいく品の良さ、端正さがあって、一時はもっと注目されていたピーター・チェルソム監督の演出が光る。彼のキャリアでも、商業的な作品であるからこそ演出の腕前が活かされた、とてもバランスのよい逸品。
日本では『マイ・フレンド・フォーエバー』に連なる感涙必至の「マイ・シリーズ」として宣伝されてしまったこともあって、二番煎じ的な扱いをされてしまったせいか観た人も少ない。「マイ・シリーズ」なんてものに実態はないのだが、原題「The Mighty」ともかけているのだとすればちょっとアッパレという気はする。
キーラン・カルキンとコンビを組んだエルデン・ヘンソンもハマっていたし、シャロン・ストーンの気丈な母親役もよい。さらにジーナ・ローランズにハリー・ディーン・スタントンとキャストも一流揃い。スティングが主題歌を提供しているのもいかにもハリウッドビジネスという感じだが、ベタな絵空事を恐れない商業映画だからこそ描ける良心というのものがあって、本作はまさにその成功例だと思っている。
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