「泣きすぎて目が腫れた。」マイ・フレンド・フォーエバー knnさんの映画レビュー(感想・評価)
泣きすぎて目が腫れた。
泣けると噂だったので観た。
調子に乗っていた。
軽い気持ちで観ていい映画ではなかった。
ざっくり内容の説明。
エイズに感染している少年デクスターと、その隣の家のエリック。二人が病気を治す為に旅するというもの。
序盤は、演出やら音楽、街並み全てがエモいなくらいしか感じていなかった。後半に近づくにつれ、人生についてや死、友情、色々なことについて考えさせられ、ひとつひとつの出来事…デクスターとエリックの行動・会話全てに感動して大号泣だ。
我々が容易く“死にたい“や“死ね“などという言葉を口にしているのが本当に恥ずかしい。
私が死にたいと思っている裏側では、彼らのように『生きたい』と願っている人もいる。それを思うと、迂闊に死にたいとも死ねとも言えないよ。
いかに自分が愚かで浅く、チープな人生を歩んできていたのかがわかる。そして、私の感受性はやはり常識にとらわれているのだと改めて実感した。
デクスターが宇宙を「すごく寒くて暗い場所」と表現しているのをみて、死を常に感じている人と、ただ無駄に時間を過ごしているだけの自分には大きな差があるのだと思った。
私からすれば、宇宙は広くて美しいというのが一番に出てくる。考えてみれば、これは一般的な美的感覚にすぎない。
宇宙の先のことなど考えたこともなかった。180光年先に進み、何もないからと1兆倍先に進んで何もなかったら?など考えようとすら思わない。
私には宇宙なんぞを理解することはできないし、所詮行くこともない、私の人生を少し味わい深くさせる程度のオブジェクトにすぎない。
しかし、デクスターにとっては宇宙と死は切っても切れない関係。いわばイコールで繋がっているのだろうと思わずにはいられない。常にそこにある宇宙が怖いというのは、無意識に自分の死をつなぎ合わせているからではないか。エイズという病気に感染し、常に死と隣合わせの恐怖を宇宙というものに例えているのだろうと思った。
感情移入が過ぎるのか鬱になりかけている。目も腫れているし、この作品のことが忘れられない。こんなメンタルで学校に行ける気がしないよ。高校生という割と早い段階でこの映画に出会い、人生について深く考えることができてよかったと思う。大人になってからでは手遅れなこともあるだろうし、もう少し常識にとらわれていない豊かな人生をおくる努力をしようと思うよ。できるかは知らないが。
長くなったが、この映画は本当に素晴らしいと思う。星5にするのはお世辞にも程があるのでは?と思わなくもなかったが、それでも星5にしたよ。我慢できなかった。