「Keep passing the open windows」ホテル・ニューハンプシャー Riuさんの映画レビュー(感想・評価)
Keep passing the open windows
憧れのナスターシャ・キンスキーとジョディ・フォスターを同じ映画で見られるというだけで期待しながら見た映画。ただしょっぱなから悲劇は訪れる。生あるものはその後も人生を続けていくわけだが、生きていけば辛いことがたくさん訪れる。容赦なく。
日本語では「開いた窓は見過ごすこと」となっているが原文は「Keep passing the open windows」。見過ごし続けること。人生のちょっとしたタイミングで何度も現れる「開いた窓」にゆめゆめ気の迷いでふらふらと近づいてしまわないようにと読み取れる。
さっさと通り過ぎてしまわないと窓の深淵を見たら囚われる、映画ではそんな雰囲気を繊細にきちんと描かれていたと思う。映画の中の人生は映画の中で終わる。見終えた後、自分の人生に向き合う、そういう映画だと思う。
映画を見た後で何十年も覚えているセリフというものに出会えるのは素晴らしいし、このセリフの意味をじっくり考えられた時代が懐かしくもある。
自分は普通の人間の着ぐるみをかぶって生きているのだ!と変な暗示をかけていた。これは熊のスージーを見習って傷つかないように生きてたんだと思う。
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