劇場公開日 2021年10月16日

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「監督自身が子供と向き合う姿が印象的。」ホームワーク naomiさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0 監督自身が子供と向き合う姿が印象的。

2025年10月15日
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鑑賞方法:VOD

悲しい

驚く

和やかな雰囲氣で子供達に、これから学校に行くと言うところから、学校の集会の様子と言わされる内容、なかなかの落差に驚く。

イランの子供達に宿題の事、どうして宿題をして来なかったのかなど、監督自身が子供達に質問する。

どの子供も何故そんな事を聞かれるのか、どう答えたら良いのか、幼い顔に不安が滲む。
暗い部屋でライトを当てられカメラを向けられ質問される。
監督の質問は、静かに投げかけられ子供達は自らの言葉で話す、でも垣間見えてくる環境や事情は深く考えさせられる。

途中、乱入気味に大人が持論を語るが、監督は特にジャッジメントもしなければ同調もしない、ただ事実をカメラに収める。

特に印象的な男の子、怯えた表情で落ち着きが無く、友達が近くに居ないから答えられないと泣き、友達が一緒に居て少し安心しても居なくなると伝えると泣き出してしまう男の子、お父さんにも個別で話を聞く、友達にも話を聞く、また男の子に聞く、もう見ていて苦しく悲しくなる、でも宗教の授業に早く行きたいと言う男の子が、宗教詩は覚えている?言ってみてと監督に言われ、スラスラと暗唱する姿を見た衝撃が忘れられない。

監督自身がどの様な家庭環境で育ち、教育を受けて来たのか、よく分からないけれども、若い頃にイタリアのネオリアリズム映画を沢山見て、小津安二郎監督の映画に影響を受けた、アッバス・キアロスタミ監督の眼を通して観るイランの家庭環境や教育、国や文化など知る事で、自分自身の事も考えてしまう。

検閲で自由にならない国、静かに強い眼差しで見つめる監督、イランで作られた監督の映画、心に残り忘れられません。

naomi
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