「最近、旧作映画であっても、INDIANを先住民と字幕を書き直していることが多い。しかし、タイトルだけはどうしようもない。」インディアン・ランナー kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)
最近、旧作映画であっても、INDIANを先住民と字幕を書き直していることが多い。しかし、タイトルだけはどうしようもない。
刺青だらけのモーテンセンは本当に怖い雰囲気を出している。頭は悪くないのにバカだと自虐的になるフランク。兄ジョーと韻を踏む言葉遊びを楽しむところなどは兄弟愛を感じるし、理由もなく狂暴になる性格が掴みづらくもある。復員恩給で暮らし、今で言うとニートのようなタイプ。フランクの彼女ドロシーは奇妙な女。特につんざくような悲鳴は『ブリキの太鼓』を思い出したくらいだ。チャールズ・ブロンソン、ベニチオ・デル・トロ、デニス・ホッパーなど、個性的すぎる俳優を難なく脇役として使うこともショーン・ペンの人望のおかげなのだろう。
ベトナム帰り、ジャニス・ジョプリン、ザ・バンドと70年代初期の匂いがプンプン。狂気はつまり、大人になりきれなく、恐怖心を拭いされない男の悲哀。“アイ・シャル・ビー・リリースト”をバックに恐怖と狂暴の呪縛から、インディアンの神聖な狩を称えながら去っていく・・・
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