プロフェッショナル(1966)のレビュー・感想・評価
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プロだから、きっちりやってからの手のひら返し
メキシコの山賊に誘拐された妻を救出するために大富豪に雇われた手練れの男たち、黒澤映画「七人の侍(1954)」を思わせる助っ人集め、面子が揃ったところで作戦開始。それぞれのプロフェッショナルぶりを堪能あれということでしょう。
ところがどっこいこの顛末・・・。
メキシコの荒んだ政情に同情的とでもいうのか、はたまた荒くれ男に似合わぬフェミニズムなのか、顛末が高尚過ぎてアクションを単純に愉しんだ自分が恥ずかしくなるでしょう。
殆ど中身は西部劇だが1917年の設定なので機関銃やダイナマイト、自動車まで出てきます。
第一世界大戦が勃発しているが触れられない、同年2月メキシコ革命も新憲法制定で一段落かに思えた頃、山賊に身を落とした革命派軍人と雇われた男たちはかっての戦友という因縁の間がらというのが伏線でした、どうして最後まで引っ張るのか考えたら依頼された仕事は最後まできっちりやるのがプロフェッショナルという矜持なのでしょうと納得。
単純な金で女を縛るヒヒ爺いに糞くらえという方が分かり易いがイデオロギーを絡めるからアクション映画の醍醐味が薄れてしまった気もして微妙・・。
異色西部劇
元革命家で射撃の名手リコ(マーヴィン)、馬の専門家ハンス(ライアン)、ナイフと弓のプロである黒人ジェイク(ウディ・ストロード)に頼むが、リコはもう一人を望む。それはダイナマイトの専門家だが刑務所に入っている・・・ビル(ランカスター)だった。
メキシコ国境近くで早速敵のおでましだ。旅人かもしれないけど、「帽子を右手の上に持ってきたら撃て」「ニトロの水滴が付いたら使い物にならない」などと細かいところもカッコいい。逃走経路にも爆薬を仕掛け、プロらしいところ。「あのラザが身代金だって?」と古くから知ってそうなところもワクワクさせるところだ。
途中、列車を襲ったりするラザの一味。こいつら悪人やな~などと思って観ていると、隠れ家ではラザとマリアが仲がいい。簡単に連れ出し、仕事も簡単に終わるかと思っていたが、マリアが逃げ出そうとする。そう、リコもビルも元革命軍兵士だったのだ。マリアの話にも共感でき、ラザを殺さなかったのも理解できる。
革命とは善と悪の戦い。問題なのはどちらが悪なのか・・・といった台詞にも、雇い主グラントが悪だと訴えてくる内容。最初は単なる大金持ちのじいさんに頼まれることがつまらないと感じていただけに俄然面白くなってくる。しかし彼等はプロフェッショナル。金のためにマリアをグラントに渡すのが最大の仕事なのだ。「金のために死ぬのはばからしい」というラザの言葉。革命という大義のために命をかける男達。ちょっと変わった西部劇っていいですね~
ビルとラザがかつては親友だったというのに、マリアとの関係を知らなかった?という点だけは矛盾を感じるが、ラストの爽やかな終わり方にまいった!「誘拐したやつからマリアを連れ戻す」って台詞で、プロフェッショナルの名はしっかり守ってるところが偉い!
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