フローレスのレビュー・感想・評価
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玉の翻訳について
フィリップ・シーモア・ホフマンが全部持って行った映画でしたね。
デ・ニーロも半身まひの全力演技なんだけど、それを越えてくるよね。
映画的にも話の筋道がわかりやすく、あの人は実は!みたいな
配線こんがらがり設定はなくてシンプル。(ネタバレちゃうで)。
男と男というよりも、大切な人と大切な人との心の交流みたいなお話。
ラスティ役のホフマンが亡くなってたんだよね。だいぶ前に。
残念だぁ、とおもってアマプラで無料で観られたのがこの映画でした。
ラストシーンのデ・ニーロの
字幕:「まだ肝っ玉があったんだな?」
吹替:「まだ玉とってなかった?」
字幕の妙さ加減にムムムとなり、吹替に変更して確認した次第。
吹替がいいですよね。
演出上デ・ニーロの言葉が聞き取りにくいから英語でなんて言ってるか
わからなかった。
こういった「マヒ」設定の場合の翻訳って、台本見ながら訳してるのかな?
聞きながらだったら、かなりムズイ気がしますわ。
いい映画です。古いなりの良さがしっかりありますね。
エンドロールに出演者の映像とクレジットを当てるところが
監督からの敬意に感じてなんだかうれしかった。
生きてて良かった。そう、思うだけ
主人公が病気の後に、「俺に関心のある女性がいるとは思えなかった」
彼がそう思っている。それはそれで良いが、僕ならそんな気持ちにならないけどなあ。
生きてて良かった。そう、思うだけだけどなぁ。ましてや、妄想の範疇の逢瀬なんでしょ。
まぁ、良いか♥
逆境と偏見
製作・脚本・監督のジョエル・シュマッカーは少年の頃から飲酒、LSD、ホモセクシャルに浸り、寝た男は1万人とも豪語する変態の権化のような奇人、いっそ自伝を映画にした方が凄そうだ。
本作は彼の友人が脳卒中で倒れリハビリに歌に通ったと言う話から着想を得たそうだ、実際にミュージック・イントネーション療法(MIT)と呼ばれており喋れなくとも歌にすることで損傷を受けた脳の一部を他の部位が補完するらしい。
オカマを毛嫌いする元警官、街の英雄だがいざ脳卒中で倒れ、言葉もままならず半身不随になってみると助けてくれるのは情の深いおかまちゃんだったというお話。脚本を読んだデニーロは一も二も無く引き受けたと言うが難しい特異な役ほど役者魂に火がつくのだろう、彼らしい。
新宿2丁目あたりに下宿していれば別だが余りにも非日常の暮らしぶりに当惑、敵役がチンピラ風情なのでサスペンス感もアクションも希薄、ただただ下品な言葉が飛び交う、偏見は強者の論理、いざ弱者になってみると傲慢さに気付くだろうということか。
人間観察が好きな人には受けるのだろうが作家性が強く、逆に普通の映画の有難味が分かるといったら言い過ぎでしょうか・・。
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