フレンチ・カンカンのレビュー・感想・評価
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下品なだけで、映画が嫌いになりそうだ。
ロートレックとドガと自分のオヤジの絵を頂いだ霊験あらたか映画だが、
要は美しくない。
ストーリーは三又にかける女性の話で、全体的にドタバタで、はっきりした相関関係が分からない。
口パクのシャンソンと誰だか分からないオヤジの生歌を少しだけ。シャンソンも一回で終わり。多分『天井桟敷のなんとか』をリスペクトしているのだろうが、見た事が無いので、何とも言えない。どうでも良い。美しくない。騒がしい。落ち着かない。そして何よりも下品そのものだ。
多分、二回目の鑑賞だと思う。
パン屋の作業場と逢瀬するベッドルームが同じ。しかも、フランスパンは、焼き上げた物をそのままカバーをかけずに展示販売している。脱亜入欧の日本でもその傾向があるが、パンデミックになる前から、パンをそのまま置いて販売する方法が『衛生を大事にする大日本』には見えなかった。ク◯ガキの鼻水混じりのフランスパンは食べられない。個人的な意見だが、パンデミック前から、僕はフランスパンが余り好きにはなれない。だから、糖質制限の為にもグルテンフリーをやることにしたが、インドでナンを食べて、その美味しさにやっぱり、グルテンフリーはやめて、一ヶ月に一回と決めて、京橋等のインド料理を食べる事にした。でも、フランスパンは食べない。
愛と嫉妬が交差する男女が産み出す圧倒的迫力のダンスシーン
フランソワーズ・アルヌール演ずる踊り子ヒロインが処女を捧げた労働階級のハンサムな若人でもなく、お金持ちの外国皇太子でもなく、劇場オーナーの老紳士ジャンギャバンを結局選ぶのが、意外でもありリアル。新たなスター目指す乙女の現実的な選択。
若人が可哀想だが、まあ彼にとっても成長の糧か。ただ、このオーナー、新しいスター発掘に熱心であると共に、女体もいただくのをモットーとしている様で、自分オンリー望むヒロインの思いは断固拒否する、なかなかの強者。国と時代は違えど、スターの発掘育成者に共通のあり様なのか。もしかして、監督のモットー反映、それとも史実?
以前オーナーに見出され今もベッドを共にするマリア・フェリクス演ずる現在のスターを、劇場に出資する二人の金持ちが狙っていて、マリアもそれを知ってしっかりと利用。新旧のスターはジャン・ギャバンを巡って大喧嘩。ということで、男女の愛と嫉妬と肉体関係が複雑に交差していて、その様を劇場のこちらとあちら、そのまた奥で、並行して見せる監督の技は新鮮であると共に凄い。そして、ヒロインに恋してた皇太子は現実を知りピストル自殺未遂。
そういったぐちゃぐちゃに見える男女の愛憎を全て昇華する様な、ニューヒロイン中核に集団で踊りまくるフレンチカンカンのダンスの派手さ、凄さ、素晴らしさに圧倒・納得させられてしまった。倫理なんて、素晴らしいダンスの前では些細なことと、芸術至上主義的に。
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