ブレイブのレビュー・感想・評価
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人の人生の大半はどこで生まれたかで決まる
冒頭の音楽が最高で音楽はずっと最高だった。途中ででかい肉にかぶりつくイギーポップもよかった。これ、テレビがある時代のアメリカか、というような、おそらくメキシコに近い居留地なのか。
全編、全ての大道具小道具キャラクターみんな最高で、ジョニーが好きなものジョニーのツイストをかき集めたのだな。
デニスホッパーでもないし、ショーンペンでもない、ジョニーが作った映画だからわかりやすく。お涙頂戴され、前半は、深いかー?!と期待しながらとにかく全ての創造物が美しくその世界に酔う。後半、この、貧しくも自由な解放区である集落が再開発でブルドーザーに踏み潰されるとわかってからは彼は家族のためではなくこの愛すべきネイバーフッドのためにも逃げずに勇敢であろうとするのだ。
彼の父親はすでに勇敢であり、彼の息子は勇敢であろうとする。難解なところはなくシンプルに胸がいたい。彼が巻き込まれていく荒手のビジネスより、何より、川に水をくみに行く居留地の暮らしが重く胸が痛く、また、これは現実かと錯乱する。
このような場所で生きとし生けるものが勇敢であるにはそうするしかなかったのかもしれない。美しいジョニー、彼の家族、父親みな美しく映画のファンタジーと貧困のリアリティその隙間を埋めるものがないのが残念だがそこがジョニーかなと思う。好きな世界感、好きなものをたくさん描いてくれてありがとう。
自分の命に値段を付ける
序盤で提示される設定のすばらしいこと。
そしてその設定を活かし切れないシナリオの残念なこと。。
自分の命に値段を付ける。過小な自己評価と抱えた愛情の大きさの対比に悲哀があるわけだが、残された日々のエピソードはそれを掬いきれていない。
仕上がりによってはジョニーデップの代表作くらいになりそうな設定なんだがあと一歩な作品。残念。
金のためならスナッフ・ムービー(実際に人を殺す映画)にだって・・・
荒廃した砂漠にある町。金のためとはいえ、「君の命をくれ」と言われてもなぁ・・・
金をもらったおかげで何でも買って近所の人からは不審に思われ、神父には告白。徐々に死を覚悟する姿が痛々しい。息子を連れ去られて、男の耳を食いちぎって絞め殺すシーンはぞっとする。
良いけど嫌だみたいな
これ、観たら嫌になるんだけど、好きな映画なんですよね。
人生の底辺から這い上がるのはなかなか難しい・・・。
差別や貧困でどうしようもない現実がそこにはあって、綺麗事なんて何一つなくて、お金でできないことはなにもないと思わされる映画。
家族の為に唯一出来る事
家族との関わりや奥さんが襲われた後の感じにパチャンガ(カリートの道)を殺すシーンなど雑な演出が目立つがJ・デップが撮りたかったコノ映画の雰囲気は解るような気もする。
突拍子も無いミニ遊園地建設に息子とのスーパーマーケットでの暴れっぷりの描写がやり過ぎ。
J・デップの演技が死に向かう恐怖心など深く掘り下げられていないのが残念。
家族を守る為の理由が最後には村全体を救う為にすり替えられていて5万ドルで足りるか?
悪趣味なM・ブランドはさすがの貫禄で作品に重みが出ているしチョイ役のI・ポップも良い。
まだ渋くて良作に出ていた今のようなスターでは無い頃のJ・デップの俺映画。
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