劇場公開日 2014年1月25日

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「RIP 殿下…」プリンス サイン・オブ・ザ・タイムズ ゆーきちさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0 RIP 殿下…

2025年9月1日
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1987年、Sign 'o' the Times ヨーロッパツアーのドキュメント、バンクーバーのいくつかの劇場で3日間だけIMAX 上映があり、夜10時半一回限りでしたが、そこまで混んでおらず、あーもうすっかり過去のスターになってしまったんだなぁと悲しくなりました。

プリンスはデビュー当時、もっと黒人ファンクっぽい曲の頃から聴いていましたが、売れてどんどんメジャーになり、ポップな曲調、ベタなバラードで売れ線ソングを多発してた頃、横浜スタジアム、東京ドームのライブに行ったことがありました。

売れ始めはダリルホールとか他のミュージシャン、音楽評論家、DJなどから才能を評価され、初めて1999のMVを観た時は身体中に電気が走りました。(ビジュアル系全盛期だった当時は、プリンスを気持ち悪がる人も多かったことも事実ですが)

このアルバムSign 〜が出てから、何となくついてこられないファンが増え始め、「プリンスと名乗るのは辞める!」と発表された時は、私もすっかり聴かなくなりました。

私は日本でもカナダでもアメリカでも、色んなアーティストのライブに出かけ、マルーン5やエドシーラン、テイラー、ケイティペリー、ポールマッカートニー、デュランデュラン、ブルーススプリングスティーンは2回、ブルーノマーズ、ヒューイルイス、ブライアンアダムスやスティングは3回、つい先日も2回目のシンディーローパーのライブに行ったばかりですが、何回行っても毎回聴きたい曲があって、スターたちもそれをわかっているからそこまでセトリを変えることなく、この時期は喉の調子が悪いから、この曲は外して別のを入れる…みたいな変更はあっても、基本的にはヒットメドレー(、時々新曲)の路線は外しません。

だから、プリンスのこのツアードキュメント映像を観て、これ、お客さん納得したのかな?パープルレインやれ、ラズベリーベレーやれ、1999やれって言われなかったのかなとは思いましたが(以前のヒット曲はリトルレッドコルベットのみ)、ドラマーのシーラE様のパワフルなスティック捌きを観たら、彼女を拝めただけよしとしよう!となれましたw マジで彼女はかっこよかったです♪

長年の盟友的な仲間ならともかく、基本バンドメンバーやダンサーはそこまで目立つことなく、覚えられることもあまりないのですが、さすが面食いの殿下はバックバンドメンバーもきっと顔採用かと思うほど、ルックス、スタイル、衣装、立ち姿…みんな美しく、まるでミュージカル映画でも観てるようでした。

もちろん殿下も色気がハンパなく、あの流し目も胸毛も堪能することができました。また、シーナイーストンのデュエットも観て、あの若かりしシーナのモデルのような美しさも拝めます。

映画「パープルレイン」ではコケにコケたプリンスでしたが、アルバム「パープルレイン」は年間チャート一位に輝くほどのプラチナヒット、まだあの時の勢いを感じられる作品ではありましたが、脂肪の全くない天才の演奏っぷりを観ていたら、この人はストイックに、命を削りながら昼夜を音楽に全振りしてたんだろうな、誰からも理解されなかった頃からも我が道を貫き続け、ひたすら自由に音楽に向き合ってきたんだなとわかり、40年以上前から風の時代を生きてきた人、改めてずっとずっとこの人の作った曲を聴きたかったなと、しみじみ思いました。

7月に亡くなった渋谷陽一さんの番組でも、ちょくちょくプリンス特集が組まれ、彼の偉大な功績と歴史をテープが擦り切れるほど聴いていた昔が懐かしくなりました。

殿下、安らかに…

ゆーきち