フライド・グリーン・トマトのレビュー・感想・評価
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現代にも通じる問題を軽快に描く
以前、雑誌の映画特集で「インテリアが素敵な映画」として紹介されていて、1920~1950年代のアメリカ南部のインテリア目当てで鑑賞。
ところが、ストーリー、役者がすばらしく、あっという間の2時間超でした。
舞台は保守的なアメリカ南部。人種差別、性差別、ルッキズム、LGBTQなど、現代にもつながる重いテーマを扱っているのに、明るく、テンポよく、軽快に描かれていて、飽きさせません。
もちろんインテリアも素敵で、また主演2人の存在感と演技力には脱帽です。
学生の頃一度鑑賞したことがあるはずなのですが、年齢を重ねた今、もう一度観ると、たくさんのことが感じ取れます。
珠玉の名作だといっていいと思います。
だんだん話が集まってくる
可愛らしい題名に騙されて、鑑賞していなかったことが悔やまれた一本。
老婆と中年婦人のふとした会話から始まる映画のような物語(映画だけど)。
老人ホームで出会った老婆の話に中年婦人が引き込まれてしまい、続きを聞きたくてホームに通う羽目になる。
可愛らしい中年主婦を演じるキャシー・ベイツがほんとうに好き。
時々、瞳の奥に”ミザリー”が見えて、ドキっとするところもいい(゚∇゚ ;)。
良品。超お薦め。
がんばる女性が主役の面白くて人生のためになる良質の作品
bee charmer
ジェシカダンディが語る女の人生。
時代の困難さもあって波瀾万丈である。女同士の友情物語でもある。
その話を聞いたキャシーベイツの人生も変わっていく。行動することが生きることである。
タイトルは昔話の中の女性が開いたストップ ホイッスル カフェのメニューで 緑色の種類のトマトの香草パン粉焼きみたいな料理。
この二人だと、、期待しちゃう
女性革命
老人ホームにいる義母のお見舞いで、偶然出会った中年女性エブリンと入居者で老婆のニニー。
エブリンのやるせない毎日を過ごす姿が(ぽっちゃり体形も含めて)。
まず自分に重なりました。
子育ても終わって夫婦二人。なのに夫はTVのスポーツ観戦をしながら知らんぷり。いるよいるよ、こういうメンズ。
ニニーが話す「イジー&エヴリン」の話。
エブリンは今の自分にはない刺激的で、自分たちで道を切り開いていく様子。
メロドラマではないけれど「その先どうなるの?」と、通い詰めるのもわかるな。
話を聞くだけじゃなくて、相談までしていくのは。どこか親子のようでもありました。
「イライラするの?。破壊的になるの?。そんなの更年期よ。みんな通る道。私だってあったわよ」と、ニニーがばっさり切り捨てる場面。そういってもらった方が、気が楽になる時もある。
話の7割はイジー&エブリンの「女の一生」話。
場面の切り返しが早いけど、時代が違うのでわかりやすい。
エピソードてんこ盛りで波乱万丈な二人の生きざま。
60年代黒人差別問題も含めて、見ごたえありました。
唯一頭の中で引っ掛かっていたのが。
ニニーは、なぜ昔のふたりの話を知っているのだろうと。
???。
「レディはおいとま時を知っているのよ」。
ニニーのいたずらっぽい笑顔。素敵~。
ラストまで十分楽しめた掘り出し物でした。
タイトルなし
人間の尊厳と心の自由
100年前の強く逞しい女性
降りかかる不幸の中でも自分を見失わずに生きぬく2人の女性の話。
なのだが、泣き映画としては…。
お涙頂戴エピソードがてんこ盛りなのに(だから?)、心を抉ってこない。
ベタで特徴のない流れが多く、「死」の安売りみたいな印象を受ける。
例えば最序盤に、風で線路上に帽子が落ち、恋人がそれを拾いに行く。
ベタだなあと思いつつ、ありきたりの結論を予想し、実際その通りである。
そういうことの繰り返しである。
サスペンス要素もあるが、何がしたいのか。
犯人が誰でも映画的にはどうでもよいことでは。
黒人差別やDVも扱っているが、浅くさらっているだけで蛇足だろう。
要するに、イイとこどりを目指しすぎかなと思う。
「女性」に強く焦点をあてている映画なので、
心折れずにひた向きに生きる女性像に特別な思い入れがある人には、
強く刺さる映画なのかもしれない。
自立する女たちの人生を見つめる
総合80点 ( ストーリー:75点|キャスト:80点|演出:80点|ビジュアル:75|音楽:75点 )
最初は現代と過去を行き来する話が好きになれなかった。戦前の南部に生きる2人の女とその時代の生活の話が波乱に富んでいて魅力的で、それに対する倦怠期の夫婦を取り上げた現代の話があまりにありふれていたために、対等に渡り合えていないと思えたからだ。そもそも現代と過去の話の関連が薄くて、現代の話をわざわざ織り込む必要性が低いと思った。
これならば過去の話だけしていたほうが面白いし何故2つの話が出てくるのか。だからこの2つの話を結びつける重大なものが何かを考えた場合、その理由が想像出来てしまって結末もやっぱりそうなったかというところで意外性はなし。
とはいうものの、最初に不要に感じていた現代の部分を盛り込んだ話も、物語の流れを観終って振り返るとこれで良かったと思える。でも物語よりも登場人物の人生を描くことがこの作品の中心になっていて、それは十分楽しめた。
人種差別があってお約束のKKK(クー・クラックス・クラン)が登場して、本来ならば緊迫するきつい場面がいくつもあったはすだが、そこはあっさりと流してくれた演出のおかげで観やすく仕上がっている。それでもルースの夫フランクの結末の話は好きにはなれなかった。
作品の中で一番気に入った部分は、過去の話で登場する2人の女性の演技と演出がしっかりとしているうえに、男に頼るのではなく自ら道を切り開いて自立した生き方をしようとする登場人物として魅力的で、それに当時の南部の雰囲気や生活が垣間見れたこと。彼女に使える黒人と警官の脇役たちも個性が出ていた。
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