フライド・グリーン・トマトのレビュー・感想・評価
全24件中、21~24件目を表示
100年前の強く逞しい女性
降りかかる不幸の中でも自分を見失わずに生きぬく2人の女性の話。
なのだが、泣き映画としては…。
お涙頂戴エピソードがてんこ盛りなのに(だから?)、心を抉ってこない。
ベタで特徴のない流れが多く、「死」の安売りみたいな印象を受ける。
例えば最序盤に、風で線路上に帽子が落ち、恋人がそれを拾いに行く。
ベタだなあと思いつつ、ありきたりの結論を予想し、実際その通りである。
そういうことの繰り返しである。
サスペンス要素もあるが、何がしたいのか。
犯人が誰でも映画的にはどうでもよいことでは。
黒人差別やDVも扱っているが、浅くさらっているだけで蛇足だろう。
要するに、イイとこどりを目指しすぎかなと思う。
「女性」に強く焦点をあてている映画なので、
心折れずにひた向きに生きる女性像に特別な思い入れがある人には、
強く刺さる映画なのかもしれない。
自立する女たちの人生を見つめる
総合80点 ( ストーリー:75点|キャスト:80点|演出:80点|ビジュアル:75|音楽:75点 )
最初は現代と過去を行き来する話が好きになれなかった。戦前の南部に生きる2人の女とその時代の生活の話が波乱に富んでいて魅力的で、それに対する倦怠期の夫婦を取り上げた現代の話があまりにありふれていたために、対等に渡り合えていないと思えたからだ。そもそも現代と過去の話の関連が薄くて、現代の話をわざわざ織り込む必要性が低いと思った。
これならば過去の話だけしていたほうが面白いし何故2つの話が出てくるのか。だからこの2つの話を結びつける重大なものが何かを考えた場合、その理由が想像出来てしまって結末もやっぱりそうなったかというところで意外性はなし。
とはいうものの、最初に不要に感じていた現代の部分を盛り込んだ話も、物語の流れを観終って振り返るとこれで良かったと思える。でも物語よりも登場人物の人生を描くことがこの作品の中心になっていて、それは十分楽しめた。
人種差別があってお約束のKKK(クー・クラックス・クラン)が登場して、本来ならば緊迫するきつい場面がいくつもあったはすだが、そこはあっさりと流してくれた演出のおかげで観やすく仕上がっている。それでもルースの夫フランクの結末の話は好きにはなれなかった。
作品の中で一番気に入った部分は、過去の話で登場する2人の女性の演技と演出がしっかりとしているうえに、男に頼るのではなく自ら道を切り開いて自立した生き方をしようとする登場人物として魅力的で、それに当時の南部の雰囲気や生活が垣間見れたこと。彼女に使える黒人と警官の脇役たちも個性が出ていた。
全24件中、21~24件目を表示

