舞踏会の手帖のレビュー・感想・評価
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人生の手帖
ジュリアンデュヴィヴィエ監督といえば、「望郷」をはじめとするジャンギャバン主演作が有名ですが、一番好きなのはこの「舞踏会の手帖」‼️夫を亡くした未亡人が若き日の舞踏会でダンスパートナーを務め、自分に愛の言葉を囁いた男たちを訪ねる旅に出る。しかし一人は亡くなり、その母は精神に異常をきたし狂っている。一人は犯罪者となり眼前で警察に連行される。その他にも神父になった者、町長になって結婚を控える者、闇医者になった者などなど。そして未亡人が一番愛した男は幼い息子を残して亡くなっていた。未亡人は養子としてその息子を引き取る・・・。人間が時を経る事の美しさと残酷さを、現代にも通じる普遍的な物語の中に描いた名作です。
16歳の舞踏会で踊った相手を20年後に訪ね歩きそれぞれの人生に触れ...
16歳の舞踏会で踊った相手を20年後に訪ね歩きそれぞれの人生に触れていく。懐かしさよりも虚しさが漂うが、女性の生きる強さがその中に垣間見える。フランス映画らしい香りのする映画だった。
思い出の人を訪ねる旅
マリーベル扮するクリスチーヌは、夫が手紙を書いている時に亡くなり遺品の整理をしていた。舞踏会の手帖が出て来て、名前を見るとクリスチーヌに言い寄った男たちであった。若くして未亡人になったクリスチーヌは、手帖にある名前を訪ね過去の自分を見つける旅をする事とした。果たしてクリスチーヌは旅でどの様な思いになるのだろうか? 20年も経てばそれぞれ色々と変化が見られるだろうね。40年経っても同窓会の感じであればお互い懐かしいだろうが、勝手に突然来られたら困る人もいるだろうね。まあ、言ってみれば自己満足の旅かな。
素晴らしいビルドゥングス・ロマン映画です
NHKのBS放送の録画を1/31に続いて再鑑賞。
これを切っ掛けにレンタルビデオで
「にんじん」「望郷」「運命の饗宴」
「巴里の空の下セーヌは流れる」
「陽気なドン・カミロ」
「わが青春のマリアンヌ」と続けて
鑑賞したが、デュビビエ作品の中では
この映画が一番好きだ
(残念ながら「商船テナシチー」と
「旅路の果て」は観る手段がありません)。
世間知らずで本当の愛を知らないまま
若くして未亡人になった主人公が
16歳の舞踏会で踊った思い出の相手を
訪ね歩き初める。
そこで若い頃の夢を捨ててしまっていた彼らの
かつては受け止めることの出来なかった
想いを知る。
そしてその旅の最後に最も憧れていた彼氏の
亡くなったことを知り身寄りの無くなった
彼の子供を引き取り育て始める。
これらの行動に対し、
人生に幻滅を感じた旅行だったとか、
最愛の彼の面影が残る少年を育てるのは
未だに過去に捕らわれた代替え愛だとか
の評論があるが果たしてそうだろうか。
私はこの映画は優れた
ビルドゥングス・ロマンの物語だと思う。
彼女は思い出旅行で厳しい現実を
見せつけられ、再会を後悔しなからも、
実は人として成長していた。
そして養子にした少年には、
彼女がかつて経験したような素敵な舞踏会
を経験させようとすると共に、
それに上乗せして彼女自身が旅で見てきた
たくさんの生き様から、
人生には厳しい現実がある一方、
時が過ぎても捨てきれない人を想う優しさ
があること等、
様々な人生の豊かさを伝えていくのだろう。
異性愛を母性愛に変えた彼女の新たな
スタートのエンディングに思えた。
人は幾つになっても新たな価値を見つけ
人生の再スタートラインに立つことが
出来る、と教えてくれる素晴らしい
ビルドゥングス・ロマン映画だった。
あなたのデュビビエのNo.1映画は何ですか?
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