「rudyな釣り師」FISHING WITH JOHN 万年 東一さんの映画レビュー(感想・評価)
rudyな釣り師
免許取り立てのジョン・ルーリーがマンハッタンでジム・ジャームッシュを車で拾い、岬まで巨大サメを釣りに行く第一話、気分が乗らない態度のジャームッシュが終始、テンション低いのが可笑しくも二人の間にある微妙に緊張感が伝わる関係性が興味深い。
トム・ウェイツを連れ立ってジャマイカまで、Tシャツにショートパンツの出立ちで足元はエンジニアブーツ、季節感も釣りをする心構えも足りない、オマケに船酔いするトム・ウェイツのマイペースぶりが面白い第二話。
小型飛行機に乗ってコスタリカへ、密林の中で馬を乗り捨てマット・ディロンとの魚釣りが第三話、儀式としての踊りが印象的な場面として。
ジェットスキーで駆り出し極寒の地へとウィレム・デフォーとの仲睦まじい関係性に仄々としながら、過酷な穴釣りが報われるには厳しすぎる環境の第四話。
第五、六話に登場のデニス・ホッパーとタイ、バンコクへ巨大イカ釣りの旅、途中の風景を見ながら『イージー・ライダー』の話になり死んだのはピーター・フォンダで俺は生きているから続編が撮れると自信満々な表情のデニス・ホッパーが微笑ましい。
ジョン・ルーリーの相変わらずなスタイルは『ストレンジャー・ザン・パラダイス』から抜け出したようにバリエーション豊富な50's感漂うシャツがイケている格好良さ、釣りが目的でありながらもメインはそれぞれ二人の関係性と差し障りのない会話を楽しむ物語、全員が好きだから個人的には堪らない。
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