「上映禁止」ビリディアナ kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
上映禁止
キリスト教を批判してるとしてスペインとイタリアでは上映禁止となった作品ですが、その年にはカンヌ国際映画祭でパルムドールを獲得している。問題となったのは一瞬のカットが最後の晩餐をばかにしているとされたことなのですが、その他にも色々あるのです。
自殺ということもショッキングではありますが、その首を吊ったなわとびの紐で楽しむ幼いリタ。宗教というより、無秩序化していただけではないのか?孤独な主人が亡くなったら、追い出された息子も帰ってきたのだが、荒れ地を開墾するのが当面の仕事。遺産相続がどうなってるのかわからなかったけど、ビリディアナにしてもホームレスたちを住まわせてボランティアに殉じようとしているのだ。ところが、結局はカオスな展開になってしまいます。
秩序ということを考えると、それほどのキリスト教批判じゃないだろうし、無宗教を喜んでいるのがホームレスたちだけ。彼らに施しをしても無意味だったことに愕然とするビリディアナが印象的でした。
結局どうなん?などと考えてみても、ビリディアナが施しをしても無駄で、私には無理!みたいになって世俗に戻る様子。修道女を諦めるという心の流れが伝わってきました。ただ、ホームレスたちがあれほどまで暴れてしまうというのも、宗教的観点よりも、貧困層は何をやってもまともにならないなどという富裕層視点の批判に見えてしまいましたけどね・・・
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きりんさんのコメント
2020年6月15日
たしかにkossy さんの言うように辛辣な風刺が満載でした、全員サイケ(爆)
あと、叔父さんはとてもいい人なのに、仕送りをもらって生きてきたくせに姪のビリディアナは恩知らずでイラつきません?世間知らずな娘ですわ。ぷんぷん。