「日本の失われた世代こそ陽はまた昇るのみなのだ」陽はまた昇る(1957) あき240さんの映画レビュー(感想・評価)
日本の失われた世代こそ陽はまた昇るのみなのだ
エヴァ・ガードナーが全て
そのものズバリのブレットだ
美しい大人の女性
男の人生を誤らせるファムファタルだ
この配役が駄目なら映画にならなかったろう
100年前のパリとスペインのパンプローナ
失われた世代の物語
その世代も文字通り消え何世代も過ぎた
正に陽はまた登り、陽は沈む
時は過ぎ去るのみ
100年前の華やかな想い出の日々はもはや小説や映画の中にしかない
同じように戦後の団塊の世代という私達の上の世代も消え去ろうとしている
その相似形として観たときの感慨が21世紀に本作を観る価値なのだろうか?
そうかも知れない
その意味もあるだろう
しかし日本にもロストジェネレーションという世代が存在していることに気付きたい
いや、それこそ気付かねばならない
なぜなら彼らは本作に描かれた米国の金持ち息子たちの戦前のパリでの呆けて遊び回るロストジェネレーションの姿とはまたったく違った境遇なのだ
彼らこそ遥かに未来はないのだ
真のロストジェネレーションは日本にこそ今あるのだ
日本の失われた世代こそ陽はまた昇りまた沈むのみなのだ
そこに21世紀に生きる我々は思いを巡らせるべきだ
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