「面白くないのが駄作ではない。」日の名残り わしのネタを映画化せいや!さんの映画レビュー(感想・評価)
面白くないのが駄作ではない。
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正直言って結構面白くはなった。主人公がやらなきゃいけない解決しなきゃいけないものがない。ただ、なんとなくこの件で不幸になっていくのかなとか。ヤバいことになっていくのかな?とかいう。仄めかしのようなものがあるだけだ。そして、その問題も、その後のヤバくなってくるところなどは描かれてない。こういうスリルもありました・・的な。さらに言うならば。主人公が誰なのかわからない。もっと言ってしまうと、99%面白くない。バスが行ってしまうところだって。なんだかなぁ・・って感じで見ていた。でも映画が終わると、この映画はいい映画だったという感慨がわいてくる。
つまり・・ジワジワ・・っとくる映画だった。
それを引き起こしたのはなんといってもラストのカメラワークだ。小城のような建物。それが大きいなぁと言った感覚からカメラが引くにつれて・・こんな小さな世界で・・に変わっていく。建物がどんなに大きくても街の中、自然の中では小さなものだ。そしてそれはとても孤立していた。ここに彼の半生があり。ここから出れなかった。執事という名の生き物のようになりきり、マシンのように生きた。ベストな仕事をするために自分の中に芽生えていたそれも・・自らシッャトアウト。人生の終わりごろを迎えてようやく気付いだが・・引いていくカメラワークと、それにのせられた音楽によって実に情緒豊かに長時間に渡って描いてきたものが伝わってきた。私は大抵の映画はエンディングロールが始まったらすぐ席をたつが。この映画はしばらく座り続けましたね。
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