「80年代の楽観主義から90年代の悲観主義へ」ヒドゥン2 モアイさんの映画レビュー(感想・評価)
80年代の楽観主義から90年代の悲観主義へ
※最初に断っておきますとこのレビューのネタバレは前作「ヒドゥン」のネタバレが含まれますのでご注意ください。
あの衝撃のラストから15年後の世界が描かれます。
正直、あの名作からよくぞここまでの駄作をヒり出したな!と驚愕です。
もともと本国ではオリジナルビデオ作品として制作されたそうですので、アクションシーンがスケールダウンしていたり、前作からのキャラクターを別の役者が演じていることも別にいいのです。(なぜか日本では劇場公開されたそうですが)
ただ、2を作るうえで基本的な設定だけ引き継いで前作とは関係ない物語にもできた所を、あえて直接的な繋がりのある物語にしたクセにこの体たらくは一体何なのか?
前作のラストで殉職したベック刑事(マイケル・ヌーリー)。ベック刑事の死の瞬間に唯一立ち会っていたギャラガー捜査官(カイル・マクラクラン)は実は寄生エイリアンであり、彼はベック刑事の亡骸に寄生し、ベック刑事になりすまし彼の妻子とともに生きる事にしたのです。
このとんでもないラストの続きを作るのであれば、こっちはベック刑事の家庭がその後どうなったのか?に一番興味があります。
更に今作の主人公はベック刑事の娘です。ある時から他人に入れ替わってしまった父との暮らしはどんなものだったのか?なにか違和感はなかったか?父が他人になってしまった事に気が付いたのか?気になることは山ほどあります・・・・・・が!そこにはほぼ触れません!!
雑に数年前に母が死んだこと、父とはだいぶ会っていないというだけです。うおーそうなった経緯を聞かせろー!!
映画全体の雰囲気も無意味に暗いし、画面もほぼ夜のシーンばかりで実際暗いです。寄生エイリアンの設定が少し深堀されますが、すっごくフワッとした表現でなんかもったいぶって説明されます。いやそんなんどうでもええねん!経緯は!?
今回も寄生エイリアンは宿主を次々変えていきますが、最初から主人公たちに追われていますので、前作のようにやりたい放題暴れまわる姿を見て楽しめる場面もほぼありません。
数少ない良い点はベック刑事の娘を綺麗な人が演じていたことと、寄生エイリアンが強奪したベンツのカーラジオからヒップホップが流れているのを、ギターワークがイカしたロックを流す局に変えてご満悦していたところぐらいです。
前作だって設定的に暗い雰囲気の作品にもできたところを、テンポよくスカーンとした雰囲気の作品に仕上げたのは80年代という時代的なものからなら、今作が無意味に暗く、たいして中身がないくせに雰囲気だけもったいぶって意味深に見せているのも90年代という時代的なものが影響しているのでしょう。
しかし時代の空気に上手く乗っかった前作と、ただ振り回されただけの今作とでは作品の出来に相当の隔たりがあります。まさに唾棄すべき続編映画です。
おはようございます。
共感そしてコメントありがとうございます。
伊丹十三の最後は、やはり勘ぐってしまいますね。
反社会もマスコミも怖いですね。
今、伊丹監督の作品を見ると、放送禁止シーン満載ですよね。
ちょっとエグくて引いてしまいます。
楽天戦は、なんか神ってて、昨日も守備固めのショートが、
ファインプレイを2つ。
あれがなければ負けてたかもしれません。
なんか本拠地での連敗で、申し訳ないです。
選手もまだまだ暑さの中の試合が続き怪我しないことを
願っています。
「12人の優しい日本人」ご覧でしたか。失礼しました。
私は篠田正浩監督は、結構好きですね。
忘れ去られてちょっと残念です。
それではまた。