晴れた日に永遠が見えるのレビュー・感想・評価
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素敵な催眠術
「ダンス・ウィズ・ミー(2019)」も催眠術の絡んだミュージカルでしたね、でも本作はもっと手が込んでますよ・・、本場ブロードウェイの舞台作の映画化です。
舞台や映画を知らなくても、このタイトルはご存知かもしれませんね。
劇中の催眠術にかかった訳ではありませんが「晴れた日に永遠が見える」と言われたらそんな気がしてくるから不思議です、山の頂、船のへさき、住まいの窓、思い浮かべる場所は人それぞれでしょう、水平線や地平線、家並の彼方の大空に悠久の想いを巡らせてしまいませんか?、まさに言の葉の魔力とでも言うのでしょうか。
またタイトル曲はシナトラ、トニーベネット、ビルエバンス、オスカーピーターソン等々、多くのビッグネームにカバー、アレンジされて、まさにエバーグリーンな名曲になっています。
反面、映画が今一つパッとしないのは教え子と教授と言う設定だからでしょうか、ロマンチック・コメディなのに抱擁もキス・シーンもなくロマンスは来世でと流されてしまうプロットにあるのかもしれませんね。
エレガントからセクシーな衣装の数々を纏い、ハープを弾くミューズもどきにまで盛り立ててこの展開は無いでしょう、もし彼女がオードリー・ヘップバーンだったら現世でハッピーエンド間違いなし、バーバラが不憫に思えてしまうから微妙です。
時空を超えたロマンスでは「「ある日どこかで(1980)」も自己催眠でのタイムトラベルでしたが本作では前世の人格を催眠術で蘇らせるという仕掛け、魔法よりはまともですが所詮ファンタジーなのですから理性的な教授連中や学者を引き合いに出して妄想の中和を加えるのは頭が固い観客への保険なのでしょうか、催眠術自体も懐疑的に思われがちなので禁煙目的と妙に実用的な効能から入っているところも興を削ぐ一因かもしれません。
折角の素敵なタイトル、ミュージカル仕立てなのですからもっと思い切りロマンチックに寄せて欲しかったというのが本音ですが、決してダメな映画と言う訳ではありません、まあ見どころ、聴きどころは多々ありますので・・・。
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