「穏やかな春風に眠気を誘われて」春のソナタ シネマディクトさんの映画レビュー(感想・評価)
穏やかな春風に眠気を誘われて
淡々とセリフのみで展開する、あまり起伏のない心理ドラマでした。主人公の中年女性が一時的にやっかいになる家庭の環境が複雑で、離婚したあと自分の娘と同年代の恋人がいる父親と、逆に父親と同年代の彼氏がいる娘というのが、なんともフランスらしい設定です。ドラマの前半は丁寧でゆるやかな流れで眠気も来そうですが、後半は娘の言動により父親と恋人のキャラが露わになってくるのでやや盛り上がってきます。一方、春のフォンテーヌブローの美しさやパリのアパルトマンの内装など、映像が魅力的です。また、日常会話のセリフもきれいでわかりやすく、フランス語を勉強している人にはいいかも。役者では、主人公の教師役のアンヌ・ティセードルの知的な美しさが際立っていました。
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