巴里の空の下セーヌは流れるのレビュー・感想・評価
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巴里は病んでいる・・
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シャンソンの名曲、タイトルから古き良きパリ、ロマンティックな映画を想像したが真逆の露悪趣味、失望を禁じ得なかった。
いみじくも劇中に登場するタブロイド紙の三面記事をそのまま映画にしたような話。
上京した恋を夢見る田舎娘の非劇、猫の多頭飼いで餌代に苦しむ老婦人、商いに忙殺された八百屋一家、工場ストの労働者とその家族、孤独さのあまり切り裂きジャックとなった彫刻家、気の小ささ故に医師試験に落第し続ける医師見習いとファッションモデルの恋人などの脈略の無い話を神の声のようなナレーションで繋げてゆく。
まだ戦争の痛手が癒えていなかった時代なのだろうか、花の都とか芸術とファッションの街と言われるパリとは程遠い残念な下町が描かれる。パリに住む貧しい市民の本音なのだろうか金持ちを心無い人達、ファッションを商業主義と小馬鹿にし芸術家なんて糞くらえと言わんばかり。
陳腐なナレーション、浅薄な人物描写、殺人鬼が自ら精神を病んでいるとカミングアウトするものだろうか・・。パッチワークのような技法とメッセージ性の強さばかりが際立つ作家性の強い映画、巴里のイメージを覆して誰が喜ぶのだろうか・・。
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