「俺たちに明日はない」パップス kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)
俺たちに明日はない
『俺たちに明日はない』を見たか?何年の映画だ?などと、行き当たりばったりの割にはジョークは冴えているスティービー。たまたまトイレにいた警備員が警察を呼び、機会を窺って強盗を倒そうとするが、スティービーに撃たれてしまう。
ロッキーの父親が説得にくるが、彼女は暴力や性的暴力の親父だと罵って下がらせるほど賢い子だ。「盗んだ金なんて誰も欲しがらない」と忠告した大人に逆らって、表へ出て野次馬たちに金をばら撒いて見せるといった大胆な行動も印象的。
まだ喘息の吸入器も手放せない幼い少年スティービー。裕福な家庭の子ということもあり、金なんて盗む気もなかった。世の中が狂ってると叫び、恋人と逃げ出したかっただけ。わざとらしい演出もなくドキュメンタリータッチで描いたリアルな映像は凄い。アメリカだけあって、13歳でも実名報道する点や、子供だから迂闊に狙撃できないといった点も見事に演出されている。銃社会の矛盾を見事についた映画ということでは『エレファント』よりもいいかもしれない。
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