「消防士物語の金字塔」バックドラフト odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
消防士物語の金字塔
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兄弟の絆、ひ弱な弟の成長物語かと想像したがそんなありきたりの話では無かった、これほど大迫力の火の演出は観たことが無かった。もちろん、バックドラフト現象も本作で知りました。それもその筈、脚本のグレゴリー・ワイデンさんは元消防士。
人間が大好きなロンハワード監督ですから兄弟の微妙な関係性、戦友のような仲間の絆、別れた男女の心残りなど情感豊かに描きます。危険と隣り合わせの消防士一家のDNAを主題に火災現場での火との格闘を描くだけでも見応えのある映画になったでしょうが謎の連続放火犯を追う調査官ドナルド役に名優ロバート・デ・ニーロまで出してサスペンス要素まで織り込む大サービス。
ブライアン(ウィリアム・ボールドウィン)が狂人的放火魔のローランド(ドナルド・サザーランド)に放火犯のプロファイリングを頼むくだりは同年公開の「羊たちの沈黙」と妙に重なり、思わず唸ってしまいました。
崇高な職業を描きながらマッチポンプ的な事件の真相は後味の悪いものでしたが単なる英雄話に祭り上げず人の裏側もしっかり描くクールさはロンハワード流なのでしょう。
公開当時観ていた筈なのに消防署のペットのムク犬は忘れていた、ところどころ出てくるだけでしたがきっと彼らが火災現場から助けた犬なのでしょうと思わせる演出も上手でしたね、それにしてもトリミングやシャンプー位はしてあげればいいのにね。
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