ハーレム・ナイトのレビュー・感想・評価
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本作は1989年の全米No.1ヒット映画なんです それにはこんな理由があるのだと思います 単にエディの人気が凄いからだけじゃないのです
なんじゃ、このクソ映画!!
そうお怒りにならないで最後までごらん下さい
あーら、不思議
中盤まで星2つが良いとこだと思っていたのに、エンドロールに流れる曲を楽しく聴く頃には星4つに変わっているのです
どっかで観たことあるようなギャング映画のお話のオンパレードです
これ全部パロディなんです
本格的なセットと衣装で、大真面目にやればやるほどおかしいのです
日本でいえば昭和残侠伝みたいなことを、お笑い芸人達が大真面目に真剣にやって見せるわけです
ニューヨークの伝説のライブレストラン、コットンクラブをモチーフにしてるぽいです
1918年から1930年代のこの当時、このようなレストランやクラブには黒人は歌手や演奏、ダンス、漫談のようなパフォーマーとしては出入りしていても、本作のように客として店の玄関から入ることはできなかったのです
そんな史実を全く無視して、1989年の現代的感覚で黒人がクラブを経営し、客として大きな顔で出入りして、白人達と対等にやり合う
そんなこと有り得ないことであるのは、米国人なら常識なのだと思います
もしかしたら1989年の公開当時よりも一歩先のこうありたいというべき社会をギャング映画の造りを借りて描いているわけです
ここを理解して観ないと、なんじゃこのクソ映画!という印象になるとおもいます
大真面目に本作をみたら、ゴールデンラズベリー賞の最低脚本賞受賞してしまうのは当然です
エディからすれば、大笑いしてると思います
わかっちゃねえなあって
たぶん黒人達や若い米国人には一発で、これはパロディだと、人種差別を茶化してるとすぐにわかるのだと思います
頭の固い白人の評論家や、日本人にはそれがすぐには分からないのだと思います
本作は1989年の全米No.1ヒット映画なんです
それにはこんな理由があるのだと思います
単にエディの人気が凄いからだけじゃないのです
シュガー・レイ役のリチャード・プライヤーは、劇中では親代わりですが、コメディアンとしてもエディの師匠筋
老眼のサイコロ振りの老人ベニー役は、レッド・フォックス
この人は黒人コメディアンの草分けで、リチャード・プライヤーの師匠
エディは孫弟子にあたります
超太っておっかないクラブの売春部門のやり手ハバアのヴェラ役は、デラ・リースという人
女芸人ではなくて、本当はゴスペル歌手
1959年に「Don't You Know?」というヒット曲とあるそうです
なのにご覧のキャラクターですから、テレビドラマや映画にも沢山出てるようです
この3人は強烈な印象を残します
後半になると本作の構造がいよいよ明らかになります
そして、大真面目にやっていたギャング映画の体裁がいよいよコメディの正体を現してきます
NYのハーレムの縄張りを巡って、白人の大きい組と黒人の弱小の組がしのぎを削っています
どちらもあくどい商売をやっているヤクザ稼業ですが、白人の組の方がよりあくどい連中です
黒人の組は、抗争もしても勝てないし、あくどい商売は止めて真っ当な商売でやって行きたいという親分の方針です
主人公のエディは孤児になった自分を親代わりに育ててくれて、今では若頭に取り立ててもらった親分を大いに恩義に感じてます
で、白人の組がいろいろ難癖を付けて黒人の組を潰そうと仕掛けてくるという物語です
ね、昭和残侠伝でしょ
エディは高倉健か鶴田浩二みたいなもんです
で、あくどい白人の組をギャフンといわせてハッピーエンドという寸法です
痛快で胸がすくこと間違い無し
黒人達だけでなく白人達だって洒落がわかる若者達なら拍手喝采します
そりゃ全米No.1ヒット映画になる訳です
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