ノスフェラトゥのレビュー・感想・評価
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妖怪ノスフェラトゥ。いびつな魅力がある作品
久しぶりに観なおしました。
キンスキー演じる吸血鬼は、鬼というより妖怪。
人間味があって、最高に面白いです。
最初の吸血シーンでは爆笑してしまいました。
この作品は非常に力が入っているな、と思うのですが、同時に模索しながら撮っているいるような印象です。
唯一キンスキーだけが、ブレていない。
俳優たちは戸惑いながらも、順応していく。
アジャーニも、ガンツも、ラストあたりになってよくなっていく感じがします。
異民族に動物たち、水や船と、ヘルツォーク流ディストピアを楽しむことができます。
時々やりすぎて、空回りしちゃってるんじゃないの?と思いますが、それもまた魅力。
あらためて好きな監督だなと思いました。
イケメンじゃないドラキュラ
スキンヘッドで、牙が前歯で口が常に半開きという全然かっこよくないドラキュラだった。クラウスキンスキーには全然見えず、革命家の外山亘一さんに似ていた。まったく元気がなくて、病人のようで生きがいもないまま生きながらえる苦しみがにじみ出ているようだった。
テンポが超スローで冒頭の20分で2回寝た。確かに退屈は退屈なのだが、面白くないわけではなく、いろいろ面白かった。
ドラキュラの存在で人々はパニックにはならず、彼が持ち込んだペストで多くの人々が死んでいた。鼠の大群がとても気持ち悪かった。
ドラキュラが地味に十字架を怖がったり、噛まれた主人公がパンくずの結界から出れないところなど地味に面白かった。特撮という特撮もなく、太陽の光を浴びても灰になったり、火傷みたいになることもなくただもがいて死んでしまった。鏡に影だけが映るのは面白かった。
考え事をするために見るのもいいかもしれないと思った。オレは漫画家なので、漫画を考える際に瞑想するのにとても適しているのではないかと思う。『惑星ソラリス』『ロスト・ハイウェイ』退屈で面白い映画で今度試してみよう。
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