「傑作ですな」トラベラー pekeさんの映画レビュー(感想・評価)
傑作ですな
血の通った、いきいきとした作品で、映画を観ているということを忘れてしまうくらい素晴らしかった。
まず、映像がひじょうに魅力的である。一つひとつのシーン、一つひとつのカットがとても力強い。
まるで往年の名写真家が撮影したような、深みのあるしっかりとした画(え)の連続によって、この映画は構成されている。
その映像からは、異国の空気がリアルに感じられるような気がした。
それから、情報量を絞ったモノクロームの映像で表現することにより、本作の推進力になっている少年の欲望や好奇心がよりダイナミックにストレートに伝わってくるようにも感じた。
そして、主演のハッサン・ダラビ。
名立たる俳優がふっ飛んでしまうような見事な演技!
映画の魔法にかかり、知らぬ間に僕はあの悪ガキとともに「トラベラー」になっていたのだった。
ところで、この教訓的な物語の根底には、やはりイスラムという宗教が影響しているのかな?
追記
なんで「ALLTIME BEST」に選ばれてないのかな?
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