ドノバン珊瑚礁のレビュー・感想・評価
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中心のないコメディ映画
1962年。ジョン・フォード監督。南太平洋の孤島で暮らす元米軍の男たち。そこへ、その中の一人の娘がアメリカからやってくる。先祖代々が経営する大手海運会社の株の権利を父に放棄してもらうためだ。戦争のため生まれて以来父に会ったことのない娘と、ポリネシアの医師としてすっかり定住している元軍人の父。現地で3人の子供を作っていたこの父を慮って、元戦友である酒場の経営者はしばらく子供をわが子として預かることにするが、、、という話。
未開社会の王女との結婚とその子の扱いとか、キリスト教と現地の神とか、植民地主義の教科書のような構造に加えて、じゃじゃ馬ならし的な女性表象(煙草を吸う女をものにする的な)、無邪気な男同士の絆の強調、アメリカ人、フランス人、中国人、オーストラリア人、日本人のそれこそ戯画的な描き方など、今では考えられない無邪気な権力的文化表象(つまり差別意識)があふれている。もちろん、それは時代の差別意識であって、映画がそれを反映しているにすぎないので、ことさら目くじらを立てても面白いことにはならないのだが。
差別を指摘するならそれが誰かの利益になっているのかという点も大切だ。この映画には他文化を差別して自らふんぞり返っているような中心的な文化的表象がない。しいていえば元米軍の男たちということだろうが、医者は私生活がないほど急患に呼ばれまくる日々で影が薄いし、無邪気な男性性を体現するような男は最終的に鉄道模型で遊ぶなにやら病的なものを抱えた存在と化している。中心となっている(ジョン・ウェイン)はラストでアメリカ娘のお尻を叩いて家父長主義的な姿勢を見せるが、この直後には荷物持ちをさせられている。コメディとして他文化を戯画化する際、差別意識がないとはいえないかもしれないが、それは自らに跳ね返る自虐的なものでもあるというべきだろう。良質のコメディが常にそうであるように。植民地主義映画、女性差別映画であるよりもむしろ多分にコメディ映画であることを見落とすべきではないだろう。
ジョン・フォード組のバカンス?
南太平洋の架空の島、ハレアコロハ島でドノバン珊瑚礁という名の酒場兼住居の主人がジョン・ウェイン扮するドノバンである。他に喧嘩友達のギルフーリー(リー・マーヴィン)、医師のディダム(ジャック・ウォーデン)の3人は太平洋戦争の生き残り、撃沈した艦から命からがら島に流れ着き島民に救ってもらった恩義と島の暮らしが性にあったのか祖国に帰らずに住み着いた設定である。ディダムの出征した後にボストンで生まれた娘アメリア(エリザベス・アレン)が訳ありで訪ねてきて暫く暮らすうちにドノバンと結ばれ島に住むという流れ。ゴーギャンではないが南の島の楽園は皆を虜にするということでしょうか。南の島でも酒場で乱闘ばかり、やってることは西部開拓時代と大して変わらない、要するに内容は適当、ジョン・フォード組のバカンスを兼ねてハワイで一本撮りましたというだけの安直コメディに思えました。
評価が高かったので録画鑑賞。 すいません、全く理解できませんでした...
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