「怪盗クラウン」トーマス・クラウン・アフェアー odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
怪盗クラウン
マックイーン、フェイ・ダナウェイの「華麗なる賭け(1968)」のリメイク、確かにゲーム性が裏にあるとすれば銀行強盗ものより名画泥棒の方がルパン的で許せますね。
製作・主演までしていますからピアース・ブロスナンはやりたかった役なのでしょう、甘いマスクでおば様キラーだからでしょうか相手役はレネ・ルッソ45才、必然性のないトップレスまで披露して熱演だが、お似合いのカップルとは言い難い。お悩みカウンセラー役でフェイ・ダナウェイまで引っ張り出してクラウンをピータパン症候群と診断、やっぱりマザコンだったのね、だから年上のレネ・ルッソ? 推測ですがピアース・ブロスナンの女性ファンを考慮して、私でもいけそうと思わせる映画会社の計算かもしれませんね。個人的にはクラウンが興味を持つのはわかるものの、あそこまで入れ込む設定についてゆくのはきつかった・・。
さすがアカデミー主題歌賞をとった「The Windmills of Your Mind(風のささやき)」はいいですね、エンドロールのスティングも味がありますが、二人が街を歩くシーンでかかったJAZZアレンジのChico O'Farrilの曲が哀愁を漂わせていました。ひょっとしてまた悲しい結末になるのかと思わせておいて、あの結末、これもまたマーケティングなのでしょう。
切れ者同士のクールな頭脳戦が見せ場なのにオリジナル程真面目に作っていないところが評価の分かれ目かも知れません。
マグリットの 山高帽の男の絵をトリックに使うあたりは笑えますね、だったらいっそのことキャスティングも見直し、峰不二子ちゃん風ならアンジーでしょうか、刑事も銭形風にして怪盗クラウンに寄せきった方が娯楽性が高まった気がします。
まあ、「ダイハード」、「プレデター」、「レッド・オクトーバーを追え!」など娯楽性は天下一品、手練れのジョン・マクティアナン監督にしては中途半端、ピアース・ブロスナンのPVもどきになってしまいました、端からそんなオファーだったのかも知れませんね・・。