「最高の悪役の1人」ディアボロス 悪魔の扉 吠えない狼さんの映画レビュー(感想・評価)
最高の悪役の1人
キアヌ・リーブスの演技力の弱さを役の初々しさと取るか、作品から浮いていると捉えるか。自分は後者でした。なのでテーマとしては興味深い本作を凡作レベルにしてしまいそうですが、そうはさせずむしろ昇華させてるのが言わずもがなのアル・パチーノ。作品全体を支配するとんでもなく大きな存在感。本人はショーン・コネリーやロバート・レッドフォードをこの役に薦めたらしいのですが、ラスト20分弱の大演説は彼にしかできないでしょう。憎悪に満ちた表情で神への恨みつらみを吐いたかと思えば次は悪戯っ子のような表情で「世界を支配しよう」と持ちかける。ベイダーやレクター博士に並ぶ、最高の悪役の1人ではないでしょうか。
惜しむらくは、やはり冒頭の通りキアヌでは明らかにパチーノに対峙するには実力不足だったのと、ストーリーもちょっと盛り込み過ぎたかなという点でした。シャーリーズ・セロンは病んでいく奥さんを熱演してましたね。コニー・ニールセンも妖艶でした。
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