「時代をまるで感じない災害パニック映画」ダンテズ・ピーク N.riverさんの映画レビュー(感想・評価)
時代をまるで感じない災害パニック映画
劇場公開当時からの、再鑑賞。
米国での地震や噴火についてあまり聞くことのなかった当時。
単なるパニック映画かと思っていれば違った。
けっこう真面目で本気な一本。
とにかく主役であるところの自然や、その荒れ狂う災害描写がよくできている。
二十年以上前の作品とは思えない。
加えていきなり噴火、パニック、ではなく、
段階を追って危機が訪れるシナリオに、
映画ゆえ端折られているとはいえ、
しっかり科学的な検証が入っていることがうかがえ、説得力も。
一面、灰に覆われた街や極めつけの火砕流は、劇場鑑賞当時、雲仙普賢岳の噴火もあったことからなおさらリアルに感じられた。
それは再鑑賞した今でも変わっていない。この仕上がり加減は本当にすごい。
安全を過信することなく危機には素早く対応。
教訓としてはもってこいで、
家族愛や、たたみかける危機からの脱出劇というノンストップの娯楽要素さえ盛り込まれた本作は、いまだ十分リアルで、いや災害の多い今だからこそ既視感に溢れ、満足できる隠れ良作だった。
ターミネーターで強い女を演じるリンダ・ハミルトンが、きゃあ、きゃあ、怖がっているのを見るのも面白いし、ジェームス・ボンドよりも頼れる気がするピアース・ブロスナンの演技もよい。
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