探偵物語(1951)のレビュー・感想・評価
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刑事物語‼️
原題を翻訳したら刑事物語だとは思うんですけど‼️ウィリアム・ワイラー監督作の中では一番好きですね、「ローマの休日」より好きかも‼️ニューヨーク21分署の一室という限定された空間で緊迫した人間ドラマが展開されます‼️正義のためには一切の妥協を許さないカーク・ダグラス刑事を中心に、同僚の刑事たち、署長、ケチな万引き女、頭のおかしい強盗、使い込みの青年、彼を愛する娘、堕胎医、弁護士。各々のキャラの紹介と絡み合いがスケッチ風に描写される前半‼️後半は一転して悲劇的なドラマ展開へ一直線‼️ダグラス刑事はなぜ堕胎医を執拗に捜査するのか⁉️愛妻の過去の秘密とは⁉️様々な伏線が張りめぐらされ、洗面所や手についた朱肉などの小道具を巧みに使い、明らかになる愛妻の忌まわしい過去を知ったダグラス刑事の怒りと苦悩、そしてその後に待ち受けるチョー悲劇‼️鳥瞰ショットを多用して描き出される刑事部屋から見えるアメリカ社会の断面はものすごく残酷だけど、ちゃんと希望も描いているところがウィリアム・ワイラー演出の素晴らしいところですね‼️ホント傑作‼️同年にビリー・ワイルダー監督の「地獄の英雄」でも素晴らしい演技を見せてくれたカーク・ダグラスはキャリアの絶頂期だったと思います‼️そして万引き女を演じるリー・グラントの愛嬌あふれる好演も印象深いです‼️
天下の巨匠に天下の名優
なんですが、いかんせん筋書が破綻しています。
おせっかい上司の勘違いのせいで、奥さんの過去が明るみになるのに戦犯の上司は「すまん」の一言で免責。ダグラス君もあそこまで奥さんを追い詰めたり、許したり、また追い詰めたり、よく言えば信念の人の苦悩なんでしょうが、客観的にいえば単なる性格破綻者です。最後が後味悪いという人が多いようですが、それ以前にお話の必然性がわからない。演出も演技も傑出しているのにこの話じゃ甲斐なしです。
救いは万引き女。
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