ダンディー少佐のレビュー・感想・評価
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南北戦争
全くの初見でペキンパー初期の作品かと思いきや結構中期の作品で、この後少しブランクが空いて「ワイルドバンチ」が撮られるんですね。
はじめペキンパー作品にC・ヘストンは、どうなのかな?と思いましたが結構役にはまってます。
他の方のレヴューでダンディー少佐は
ペキンパー自身の投影ではないかと指摘されて、
なるほどと同感しました。
映画も作るのにいろんな人材をかき集めないといけないし、そのなかに言う事聞かないのがいたりして本当トホホですよね。
あと抜けがけする奴(「戦争のはらわた」にもいたな)。
監督(少佐)とは孤独で周囲から疎んじられる事ばかりです。前にwowowでペキンパー監督のドキュメンタリーを観たのですがプロデューサー殴ったりとか、
ヘベレケ状態で撮影所に来てJ・コバーンが呆れ果てたというエピソードが枚挙にいとまない😓
しかし私は彼の作る映画は好きです。
この映画は話が複雑に入り組んでややこしく、
夜のシーンも見づらいんですよね。
リチャードハリス演じる南軍大尉タイリーンとも、いがみ合っています。
「戦争が終わったら、お前を殺す」
タイリーンはダンディに こう言い放ちます。これが何か映画ラストへの節線でもあり、なんとなく結末が予想できます。
終盤にメキシコでフランス軍との戦いで、タイリーンからダンディがに星条旗🇺🇸を受け取るシーンでパッと画面が引き締まったような気がします。今は俺たち(国内)争ってる場合じゃないよ。一つになって立ち向かおうというメッセージと捉えました。
DCコミックの映画「ジャスティスリーグ」の原点のような映画でもあります。
ペキンパー映画の中では「戦争のはらわた」に次いで好きな映画かもしれません🙂
ていたらくな顛末
指揮官の苦悩
戦闘シーンなどの盛り上がりは当然あるし、明確な目的もある。しかし、敵対するアパッチ族やフランス軍の描写はない。寄せ集めである自部隊と、その二人の指揮官の描写が中心となっている。
話が進むにつれ、これは西部劇を舞台とした、プロジェクトリーダーの苦悩を描いた物語なのだと気付く。身近にいそうな性格の部下たち、仕事の割り振りや信賞必罰の難しさ、共有できない苦悩が、こんな状況知っている!というリアリティを観る者ににもたらす。
ダンディー少佐が言う、闘うことを選択するのは楽だからだという言葉は胸に刺さる。
最後、目的を達成してテキサスに戻る隊列。そこにはタイリーン大尉を含めた多くの仲間の姿が消え去っている。これもまた既視感のある光景だ。
二人の指揮官、チャールトン・ヘストン、リチャード・ハリスがとても良い味わいを出している。
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