「メロドラマ」戦う翼 odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
メロドラマ
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「戦う翼」などという邦題から硬派な戦争ものと思って観るとはしごを外されます、原題はThe War Lover、戦争に取り憑かれた男の悲運を描いています。
同じB-17の爆撃隊の話では名作「頭上の敵機」があります、途中参戦したアメリカ軍は助っ人意識が強いから士気も上がらず帰還率は下がるばかりの状況で部下に温情的な司令官と非情で論理的な指揮官のコーチングの賛否を問うようなところも本作と通じるものがある。
そもそも護衛の戦闘機も無く狙われやすい昼間での長距離爆撃と言う命令自体が理不尽なのだが本作ではそのことには踏み込まず軍人としての人間性をテーマにしているようだ。
自信家で蛮勇な機長バズ・リクソン大尉(スティーヴ・マックィーン)と温厚な副操縦士のエド・ボランド中尉(ロバート・ワグナー)の人間性の対比を描くが、まさに命のかかった戦場では評価も単純ではあるまい。女性問題まで絡めて、まるで自業自得のようにリクソン大尉は命を落とす結末ではまるでメロドラマでした。所詮、戦争と言う不条理の中で綺麗ごとを描いても気休めにしかなりますまい・・。
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