「遅すぎた続編」黄昏のチャイナタウン odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
遅すぎた続編
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「チャイナタウン(1976)」でアカデミーやゴールデングローブ賞などをとった脚本のロバート・タウン、製作のロバート・エバンス、主演のジャック・ニコルソンらが続編に結集したものの資金繰りや考えの違いで何度も頓挫、脚本のエバンスが監督を兼ねたが揉めた末、ジャック・ニコルソンが監督。前作との繋がりは実父の暴行で生まれた悲運の娘キャサリンが事件に絡んでいるらしいということだけ、勿論チャイナタウンは出てこない。
前作も横溝正史のようなドロドロな家族関係がショッキングだったので余韻を当て込んだのだろうが、そもそも引きづりたくもない性虐待の逸話、しかも16年も経ってからの続編では遅すぎよう。
興業的にも当たったので関係者の思い入れは分かる気もするが独立した作品としてみれば妻の浮気に逆上した旦那の間男殺しだからそもそもしょぼい、裏があるらしいとは察するが訳の分からない盗聴テープばかり何度も聴かされるだけ、テンポのない謎解きに飽きてくる。
石油利権を絡ませる大風呂敷は前作の水資源絡みと似た手口だが盛っているだけだし、ジェイク・ギテス(ジャックニコルソン)も大勢部下をかかえるリッチな探偵事務所になった分、私立探偵ものの哀愁やノワール感も薄れてしまった。ラストの過去を消したいというキャサリンにジェイクは「過去は消せない」とのたまうが製作陣は過去の成功への未練は忘れた方が良かったでしょう。
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