「温かくも冷徹に"家族"を見つめる」大地のうた keitaさんの映画レビュー(感想・評価)
温かくも冷徹に"家族"を見つめる
描くべきところでありながらもそれまであまり目を向けられることの無かった"家族"を描きカンヌでセンセーショナルを巻き起こした名作。
貧しいながらも懸命に生きる三世代の家族にサタジット・レイは冷徹ながらもどこまでも温かい眼差しを向ける。
そして、私たちはその家族の歴史を見つめる。
どうしてだろうか?普通の家族を捉えたストーリーであるのにものすごく壮大な叙情詩のようだ。
それこそが彼の狙いか。 生死の尊厳や輪廻の精神、神秘に満ちた体験は"日常"の中に潜んでいるのだと言わんばかりだ。
少年オプーは無垢の心で全てを受け入れ成長していく。
「大地のうた」、"オプー三部作"は始まったばかりだ。
残り2作でサタジット・レイはどんな映画体験をさせてくれるのか楽しみでならない。
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